第23話 『今日は何の日でしょう』エロバニーガールの日!?
「
「ん……突然何!?」
日曜日の朝、目を覚ましたら実川さんがバニーガールのコスプレをして俺の体の上に
実川さんはなんだか凄くテンションが上っているみたい。これは発情期……。
「……なんでそんなエロい服ばっか持ってんの?」
「エロいとか言うなぁ!」
実川さんは恥ずかしそうに顔を赤面させ俺の腹をポカポカ叩いてくる。
恥ずかしいならそんなもの着なかったらいいのに……もしかして羞恥プレイ好き女子!?
学校ではあれほどクールで真面目な清楚系女子を演じているのに家では半裸になってクラスメイトの男子を誘惑。……ギャップ萌えする。
「今、やらしい事考えてたでしょ」
「そんな事ないけど……」
図星を隠そうと平常心を保つ俺に実川さんが俺の胸に手を当ててさらなる誘惑。
そして実川さんはベットに転んだ状態の俺に、ペッタリ体をくっつけて耳元で囁く。
「今日は何の日でしょう」
「えっ……」
「早く答えてっ」
実川さんは俺を、ウサ尻尾付きの肩出しレオタード姿で急かしてくる。
そしてこの状況から考えられる『〜の日』を速攻分析し思いついたことは、
「10月31日だよね……エロバニーガール誕生の日?」
「なにそれ……」
実川さんは目を細めて汚らわしいゴミを見るような目つきで俺を睨む。
俺も流石に罪悪感を感じた。
「やっぱりエロい目で見てたんだー」
「そんなの着てたら仕方ないでしょ……俺だって男だし」
「ふーん。可愛かった?」
俺が『うん』と答えると実川さんは後ろを向いて肩を落とした。
俺はその姿が喜んでいるように見えた。
◆
「エロバニーガール誕生の日じゃなくて、今日はハロウィンですっ!」
「あぁーハロウィンかぁー。すっかり忘れてた」
それでコスプレかぁ。でもなんでバニーガール???
「実川さん、バニーガールはお化けや妖怪じゃないと思うんだけど……」
「えっ……ウサギのお化けじゃないの!?」
「たぶんだけど、飲食店の接客係やカジノの女性ディーラーさんが着るやつだと思うよ?」
「へ、そーなんだ……わかってたけどねっ……」
「さっきウサギお化けだとか言ってたよね」
実川さんは立ち上がって洗面所の方に走る。
少し経って戻ってきた実川さんは部屋着に着替えてカーペットの上に腰を下ろした。
「なんで着替えてきたの?」
「だって恥ずかしいじゃん……」
「前に着てたセーター(童貞を殺す)の方が恥ずかしいと思うんだけど」
「あれは大丈夫なのぉ」
「なんで!?」
実川さんの恥ずかしいと思うツボがますます分からなくなる。
バニーガールよりも『童貞を殺す』セーターを着る方が代償が大きい気がするんだけど。
これ以上実川さんの恥をえぐるのも可哀想なので俺は話題を戻すことにした。
「それでハロウィンの日って何するの?」
「うーん。近所の家に行ってお菓子くれーって言うんじゃない?」
「何もくれない気がするんだけど……」
毎年ハロウィンの日がきてもウチの家は、特別いつもと変わったことをするわけでもなく大した思い出もないので俺はハロウィンに
なんとなくの知識はあるだろうけど、俺みたいなちょい陰キャ男子には縁のないことなので知る必要もなかったのだ。
「じゃあ二人でハロウィンパーティーしようか」
「どうやって?」
「美味しいもの作って食べるとかかな?」
◆
エプロンを着てキッチンに立つ実川さん。
俺は邪魔をしないように座って料理ができるのを待つ。
――作り始めて30分ほどが経ち、キッチンミトンを付け湯気のでる器を持った実川さんが料理をテーブルの上に置く。
「これは?」
「冷蔵庫にあったかぼちゃで作ったかぼちゃグラタン。味は保証しません」
「こわいなぁ……」
俺は恐る恐るオレンジ色の見た目は美味しそうなグラタンをすくって口に入れ
「美味しい! 凄いよ、お店のグラタンみたい」
「よかったぁー、今回はちょっと自信なかったんだー」
「えっ? 味見してなかったの?」
「うん! まずかったらやだから綾瀬くんに毒味してもらった」
笑顔でそのセリフ言うとサイコパス感凄いんだが……
まぁ毒ではないし、むしろ美味しいのでいいんだけど。
「ほんとだぁー! 美味しいね!」
満面の笑みで咀嚼する実川さん。
顔をくしゃくしゃにして笑う姿はむちゃくちゃ可愛いくて癒やされる。
「なんだか最近美味しいものばっかり食べてるから心配だなー」
「なにが?」
「むぅー、綾瀬くん。女の子にそんな事聞いちゃダメなんだからねっ!」
実川さん喜怒哀楽なところも普段の学校では見られないので特別感があって俺は好きだ。
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