第7話 風邪をひいた俺を看病してくれる美少女
風呂から上がって髪を乾かしいつものスウェットに着替えた俺はリビングのベットに腰をかけテレビを付けた。隣にはもうすでに風呂に入ってパジャマを着ている実川さんがいる。僕らは冷蔵庫で冷えたコーヒー牛乳を持ってテレビ画面を眺める。
「はくしょんっ」
「綾瀬くん、今のはくしゃみ?」
くしゃみに聞こえなかったのだろうか、確認してくる実川さん。
「うん、くしゃみ。多分湯冷めしてるんだと思う」
「大丈夫?」
「うん多分……ゲホっ、ゴホ」
あ、咳だ。湯冷めじゃ誤魔化せないかも。
「綾瀬くん。風邪ひいてるよね」
「……うん。実は今日の朝から」
「この前ちゃんと傘に入ってなかったからでしょぉ」
「すみません……」
俺は返す言葉もなく頭を下げるばかり。
すると実川さんはベットから立って脱衣所の方へ向かった。
帰って来ると右手にデジタルの体温計と総合感冒薬を持っている。
「今日は薬を飲んで早めに寝ること。はい、体温測って」
「うん……ほんとにごめん」
体温計を脇の下に挟み音がなったら外して温度を確認した。
「37.3℃もあるじゃんか。明日は学校休まなきゃいけないかも」
「そうだよね……」
「じゃあ今日はもう寝るよっ!」
歯磨きをした後、今日は俺がベットで寝て実川さんがカーペットの上で寝ることになった。社長令嬢を床で寝させることに申し訳ない気持ちになった。
◆
翌日。
いつもなら俺が実川さんを起こす役なのに今日に限っては実川さんが俺を起こす。
「綾瀬くん朝だよ。起きて」
「ゔ 〜」
変なうめき声を発する俺。
すると俺のおでこに実川さんが手を当ててくる。
「昨日より熱があがってるなぁー。今日は休まないとダメだね」
「……」
「私は学校に行くけど耐えられなくてえらい時は連絡して。帰ってくるから。それとお
「ごめんーーありがとう」
そしたら実川さんは制服に着替えた後アパートを出て行った。
少ししてお腹が空いてきたので実川さんが作ってくれたお粥を食べる。
「美味しい……」
おもわず口に出して感想を言ってしまうほど美味しかった。
◆
時刻は午後5時過ぎ。
玄関のドアが開いて実川さんが帰ってきたこが分かった。
起き上がって確認すると実川さんは両手にポリ袋を持っていた。
「ただいま。綾瀬くん。帰りにスーパーに寄ってポカリとか熱さまとか色々買ってきた」
「痛み入ります……ほんとに助かる」
「で、少しは良くなった?」
「うん。お陰様で咳も止まったしだいぶ良くなったよ。ありがと」
「……うん」
なんだろう。ただお礼を言っただけなのに実川さんが赤面している。
俺、なんか変なことでも言ったのかな。
「私、ほんとに心配したんだからねっ!」
「次からはきおつけます……」
彼女はため息をつき俺の顔をみてクスっと笑って見せた。
俺は一瞬ドキッとし、恥ずかしくなって実川さんから目を離した。
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