吸血鬼事件に巻き込まれた主人公。果たして彼を救えるのだろうか?
- ★★★ Excellent!!!
【読む前に感じたこと】
一番気になるのは”制限時間内”とはどんな意味合いなのか? ということ。
吸血鬼としてのもう一つの顔があるということは、時折吸血鬼に変化し完全にそっち側になってしまう前に、血が必要なのだろうか?
わがものにするとはどういうことなのか?
この辺がとても気になるところである。
【物語は】
主人公の少女が嫌にリアルな夢を見て、起床時間が登校ぎりぎりになってしまうところから始まっていく。
その後登校途中で具合の悪うそうな同学校の生徒を助け、時間ぎりぎりとなり、教室では友人に揶揄われるなど踏んだり蹴ったり。
しかしそんな彼女の日常から、近頃話題になっているという”吸血鬼事件”の話題へと。果たしてそれは一体どんな事件なのだろうか?
【吸血鬼事件について】
この物語の中では、ある一つの不可解な事件が起きていた。
それは男女問わず、血を抜かれるという謎の事件。殺人事件と断定されていることから、何者かが行っていると考えられる。
首に二つの穴が痕跡として残されていることから、吸血鬼事件と呼ばれているようだ。果たしてこの事件の犯人は?
【登場人物について】
転校生がやってきてから主人公の日常が変わっていく。
登校途中で助けた男子生徒は、なんと主人公のクラスへの転校生だった。
彼は身体が弱いのか持病持ちなのか、体育に参加することはできない。それを不憫に思っていた主人公だったのだが。
どうやら彼はドジっ子というものらしく、そのハプニングに主人公が巻き込まれる確率が高いようで、それがだんだん日常と化していた。
主人公と特に仲の良い友人は、情報通。その理由は作中にて明かされている。
転校生のハプニングに巻き込まれ、お似合いなどと言われてしまう主人公ではあったが一学年上に想い人がいるようで、その経緯なども語られていく。
【物語について】
想い人である先輩とやっとまともに話すことが出来た日、二人は吸血鬼事件に巻き込まれてしまう。主人公は間一髪で”ルフス”と名乗る不思議な男子学生に助けられるのだ。
事件の恐怖、大切な人を失ってしまった喪失感から学校を休んでいた主人公。そんな彼女を心配しお見舞いに来てくれたのは、仲の良い友人と転校生であった。
想いを吐き出したのち、主人公とその友人は転校生から彼の身に起きていることを聞かされる。それはにわかには信じがたい内容ではあったが、彼に残された時間はわずか。二人は彼に協力を申し出るのであった。
【物語の見どころ】
主人公が吸血鬼事件に巻き込まれ、転校生のもう一つの人格に助けられるところがターニングポイントとなるのだと思う。
この後、二人は友人と同じ新聞部へと入部することになり、彼のへ協力者が増えていく。
この作品はライトノベルなので、彼が吸血鬼であることに関して”偏見”を持つような流れはない。真っすぐに解決へ向けて皆が一丸となって協力していくような物語である。
主人公の想い人については、たくさん出番があるわけではないもののキーパーソンとなっているように感じた。彼の存在があったからこそ、物語は動き出したと言っても過言ではない重要人物。
他に見どころの一つとして外せないのは、二つの人格を持つ転校生であろう。彼は人格によって性格が変わる。真逆に近いその立ち居振る舞いが読者を惹きつける要素の一つだと思われる。
だが、彼が救われるということは、その人格を一つ失うということでもある。
あなたもお手に取られてみませんか? この物語の結末をその目でぜひ確かめてみてくださいね。お奨めです。
*備考10章まで拝読(P10かな)