あなたにも愛して欲しい、日本語が生み出す芸術的な世界を。
そして飛びこんでみませんか、この切なくて優しい世界に。
【日本語が素敵な理由】
日本語は世界一難しい言語と言われているけれど、会話をするだけなら世界一簡単な言葉だと思っている。
何故なら、主語がなくても通じるから。
例えば『あなたとわたし』の2人だけで話をするならば。
「これ食べる?」
と、手に持っているものを差し出すだけで会話は成立する。
こちらが相手に言っていることは暗黙の了解だから。
つまり、日本語とは含みを理解する、空気を読むということとセットになっているとも考えられる。
そして日本語で大切なのはニュアンス。
正しく伝えたいと感じる時、それは文法の正しさではなくニュアンスの正しさが優先されるのが日本人の特徴。
それは何色ですか? 赤と大雑把に答えても良いし、人には意味があってよりその色を表す言葉に近いものを選ぶこともあるだろう。
そう、言葉を選択できる。その数が多いのが日本語なのである。
【日本語の特性と作品の関係性】
この作品を語るために長い前置きをしてしまったが、日本語はそれができるから【俳句や和歌、短歌】が生まれたとも言えるのだ。
主語がなくても伝わるから、17文字の世界が展開できる。
正しくニュアンスを伝えるための言葉を選ぶことができるから。
それはまるでカラフルで色数の多い色鉛筆やクレバス、絵具のようにも感じるだろう。
【作品の見どころ】
こちらの作品はタイトルが実にシンプルである。
しかしその扉を開いて広がっているのは、美しき感情の世界。
それはまるで満開の桜の木の下で美しい花びらが舞うのを見ているような感覚に似ている。その花びらを一枚手に取れば、そこにかかれているのは無数の言葉たち。
舞い散る文字を一つ手に取ってみて欲しい。
そこにあるのは溢れる感情と思い出、共感。
時に胸が熱くなり。
時に切なく、涙することもあるだろう。
この作品は共感性の高い内容の俳句が多いのである。
【俳句の方向性】
この作品の俳句の方向性は無季自由律俳句。
季語を入れないことによって表現幅が広がり、自由度も増すというスタイルである。その為、不慣れな季語の意味を深く読む難しさではなく、身近な想いを受け手がもっとわかりやすく感じることが可能。
言葉選びの仕方はその人の感性を映す鏡とも言える。
まだ拝読中途であるが。
恋する気持ちや片思いの切なさの伝わってくる俳句が多く、解説も同時になされている。その為、俳句が苦手でもどんな状況でどんな気持ちが詠まれているのかわかりやすいのである。
自身も俳句についてはあまり馴染みがなく、難しいのかなと思っていたのだがイメージが一変した。
特に一度は恋をしたことのある方にお奨めしたい。
きっと共感できる想いがここには溢れています。
お気に入りの音楽を聴きながら読まれてみませんか?
素敵な時間をあなたへ。