クソゲーにも三分の魂!!

 アルティマウォーズはクソゲーである。

 インパクトある一文から始まるこの物語は、ゲーム創造と共に生まれた妖精『アルマ』が、クソゲーと罵られサービス終了と消え行く運命であることから始まる。

 消え行く世界でアルマは願った『消えたくない』『あたしと遊んで』と……

 彼女の願いは奇跡を起こす。消え行くはずのアルティマウォーズは存続したのだ。
 だがそれは彼女を地球人類滅亡の呪いとして存在させてしまうことになり、アルティマウォーズの終了は人類滅亡を意味することになる。

 この惨事を回避する為、創造主である詠司と共にアルティマウォーズの未来を掴む、時間巻き戻しありの無限のクリエイティブが今始まる!!


☆ ☆ ☆


 ゲームを内部から創造していく様子が、プログラミングの裏側を見ているようで、読んでいてとても楽しいんです。

 それに加え、売り上げ、予算、上司たちの余計な一言による方針転換、ゲームを遊ぶプレイヤーの存在がときには障害となり、あれを立てれば、こっちが倒れる。試行錯誤の連続にハラハラさせられ、報われて欲しいと願ってしまいます。

 ゲーム製作の過程、社会人として働く上での理不尽さ、自分の希望と駆け離れていく現実、それでも僅かな希望を胸に理想を追い求める。そんな社会の縮図が、この物語にはギュッと詰まっていると思います。

 アルティマウォーズの未来の姿、良ゲーとなり得たのか是非読んで確かめて欲しいです。

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