アルティマウォーズはクソゲーである。
インパクトある一文から始まるこの物語は、ゲーム創造と共に生まれた妖精『アルマ』が、クソゲーと罵られサービス終了と消え行く運命であることから始まる。
消え行く世界でアルマは願った『消えたくない』『あたしと遊んで』と……
彼女の願いは奇跡を起こす。消え行くはずのアルティマウォーズは存続したのだ。
だがそれは彼女を地球人類滅亡の呪いとして存在させてしまうことになり、アルティマウォーズの終了は人類滅亡を意味することになる。
この惨事を回避する為、創造主である詠司と共にアルティマウォーズの未来を掴む、時間巻き戻しありの無限のクリエイティブが今始まる!!
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ゲームを内部から創造していく様子が、プログラミングの裏側を見ているようで、読んでいてとても楽しいんです。
それに加え、売り上げ、予算、上司たちの余計な一言による方針転換、ゲームを遊ぶプレイヤーの存在がときには障害となり、あれを立てれば、こっちが倒れる。試行錯誤の連続にハラハラさせられ、報われて欲しいと願ってしまいます。
ゲーム製作の過程、社会人として働く上での理不尽さ、自分の希望と駆け離れていく現実、それでも僅かな希望を胸に理想を追い求める。そんな社会の縮図が、この物語にはギュッと詰まっていると思います。
アルティマウォーズの未来の姿、良ゲーとなり得たのか是非読んで確かめて欲しいです。
クソ企画から生まれたクソゲーの魂は、サービス終了からの延命を願った。
その時に生じた歪みは、ゲームの外の上位世界にまで悪影響を与え、結果として上位世界を崩壊させるに至る。
クソゲー開発者の1人である主人公は滅びの未来を変えるため、幻覚のような世界で時間遡行を繰り返し、クソゲーをまともなゲームに創り直してゆく。
開発費、開発期間、収益性、クソ前任者、クソ荒らし、クソ役員――開発の上では様々な障害も存在します。
そんな中で、ゲーム開発にとって本当に必要な要素は何なのか?
トライ・アンド・エラーを繰り返し、時にはヒロイン(クソゲーの魂)や仲間(テストプレイヤー)にも教えられながら、主人公は開発者として成長していきます。
全七話の創世記で努力、友情、勝利を魅せる職業モノ短編。