人の死の話ではあるが、悲しさはない。サイトウのことをよく知らないからか?ただ、この作品で上がった花火はすべて美しいと思うし、文字をなぞるだけでその人の花火を実際に見ているかのように感じられる作品だった。
一人称迷子の人間です。 目標は書き続けること。読み続けること。 よろしくお願いいたします。 小説より近況ノートの方が更新される変人なので、フォローご注意くだ…
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(344文字)
思春期に触れる「死」は繊細で、言葉にしたり表現したりするのが難しいものです。本作は「人は死ぬと打ち上げ花火になる」というシュールな設定によって、それを捉えることに成功しています。タイトルから物語…続きを読む
〈それを指差して「ちょうちょ」と言ったわたしは、きっと今のサイトウと同じだ。今だって、見知らぬ人の死の結果を見て、綺麗だと思った。夜空に咲いて、はらはらと消えてゆく光の粒は、何もかもお構いなしにどう…続きを読む
死者が打ち上げ花火となる、この世界より少しだけ奇妙な世界のお話。それ故に生じる倫理観のズレと、変わらない死に対する畏怖や人との距離感、そしてそれらを象徴するような花火の綺麗さが印象的な作品。…続きを読む
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