人間の生と愛憎を描く良質SF物語!

「SFって何が面白いの?」よく聞かれます。
私は
「現実とは違うのに妙にリアリティのある世界(いつか来るかもしれないと思わせる世界)の中で、人間はどんな生き方をするのか」
そこにSFの面白さがあると思っています。

こちらの作品は、まさにその面白さが凝縮された良作。

いわゆるSFっぽい小難しい説明がないのに、世界観が伝わって来るという点も素晴らしい。
また、登場人物が実に人間らしい。生々しい感情に基づいて行動しているので、面白い。
その割にヒロインはちょっと人間離れした雰囲気というか、感情が表に出てこないというか、物語の中で少し浮いた存在だと感じました。
何かあるな、何かあるんだろうな。そう思って読み進めると・・・。
この違和感が、クライマックスで見事に回収される伏線でした。

読了後の、この満足感。これがSFなのです!

全人類に読んでいただきたい名作です。
ぜひ、お手に取られてみてください!

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