たしかな夏の香りがした。


狐が降るってなんだろう?


わたしの中の夢見里さんの作品といえば、絵画のような美しい、圧倒的描写力です。
写真を真実を切り取るものだとするならば、夢見里さんが書くお話は本当に絵画。リアルを飛び越えて、想像力にダイレクトに映像を与えてくれます。
それがとても美しくてたまらないのです。

今回も例に漏れず、引き込まれました。
現実に戻らずずっと浸っていたい……おっと、失礼しました。

海無し県陸の孤島住まいとして、想像しやすい蛇が横たわってるかのような山のぐねぐね道。そこを歩く白いワンピースの女の子。主人公の嫌な予感、とても気持ちがわかります。

そして、狐が降るというキーワード。
線香花火。曼珠沙華。
ストーリーの全容が見えたときの寂しさ。切なさ。
心揺さぶられました。

素敵な作品をありがとうございました!
夏になったら、また鈴ちゃんに会いにきますね。

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