切ないあの日の恋心を貴方に。もう一度。

そうです。そうでした。
わたしにもこんな思い出があったのでした。

でも、大事で、とても大切で。

かけがえのない記憶でしたから、厳重に仕舞い込み、きっちりと封をして、片隅の暗い、暗いところへと押し込んでしまったのです。

そうしたらーー忘れてしまったのですよ。

決して忘れてはいけなかったのに。ずっと、ずっと覚えていたかったのに。あれだけ涙を流したのに。

人間って不思議、ですよね。

胸が苦しくなるほどに懐かしくて、どこか妖しくて、溜息が漏れ出るほど美しい感情と風景の描写に震えます。

切ないあの日の恋心を貴方に。もう一度。

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