第3話 これが……テストですか?

 タクヤはこうふんしながら、ちになっていた。

 からだもくてきしつすわっているのに、しきそうげんにある。

 VRってすごい! とおもうと、サイバーガードいんかいれてほんとうによかったとおもった。


「シミュレーションようデブリします。むし姿すがたしてるけど、でっかいから『ー!』ってひとはやめにってね」


 リンのこえがフィールドにひびわたる。ユウマではなくリンがナビゲーションをするらしい。


「ちなみに、バグって『むし』のなんだよ。デブリがむしかたちなのはそういうことらしいよ」


 ユウマのかいせつはいって、タクヤはなるほど、とおもった。

 ようは、これからてくる「デブリ」をたおせればテストはごうかくなのだろう。


 ジジジッとノイズのようなおとがして、タクヤたちのかいにデブリがあらわれた。がいけんは、はえして2でったような……ようは、くちながくないのようなかたちだ。コマーシャルでよくのイメージをおもす。

 デブリはうっすらあおからだいろに、だけがあかい。そして――。


「でっか!」

「キモイ!」


 あちこちでめいがる。タクヤも「でかいよ!」とおもわずってしまったくらいだ。


 ちゆうかぶデブリは、おおがたけんくらいのおおきさがあった……。



「そのデブリをたおしたらテストしゆうりようだよ。ヘルメットをかぶってもこわくなくて、にVRくうかんはいることができた。もうそれでテストははんぶんわってたんだ。たまに、へいしよきようしようであのヘルメットにゴーグルでもなことにいちゃうがいるんだって。

 それと、きよねんは……」

むしぎらいのセイナちゃんがね、やりまわしてそののデブリをぜーんぶたおしたあとに、かつこうやりほうげて『いつしようぶんむしたおしたからもういや。やってらんない』ってってやめちゃったんだ」

 

 ためいきじりのユウマのこえに、クスクスわらいながらのリンのこえかぶさる。

 むしぎらいはからいかもしれないなあ、とタクヤはうごかないデブリをながらおもった。

 ここまでおおきいとげんじつがないけども、ぎらいなひとぎらいだろう。


すごひとがいるんだね」


 ヒトミがぼうぜんつぶやいた。

 ヒトミがう「すごい」が、ぜんのデブリをひとりでたおしたことなのか、たおしたあとかつこうやりほうげていんかいをやめてしまったことなのか、タクヤにはいまいちわからなかった。けれど、とりあえずどっちもすごい、とおもう。


「でっかいむしたたかうのがひと、いるかな?」


 つづきリンのこえ。そのにいた5ねんせいからだいじようでーすとこえがあがる。


「それじゃあ、テストかいぶんでデブリをたおしてみて。チェンジしたかったらってね。みんながんって!」

「よっしゃー、やるぜー!」


 ハヤトがりようけんってけていく。そして、けんりかぶってちかくにいたデブリをすっぱりとりようだんした。

 たんにデブリはあかあおみどりの3いろひかりぶんかいされてえていく。わるむしのようだったのに、えていく姿すがたれいだった。


おれ、いっちばーん!」


 こういうときさきうごくのがハヤトだった。けるもんかとタクヤもライフルがたのシューターをかまえる。

 タンクにはみずはいっているはずだけど、おもさはかんじない。それをおもってから、ここがVRのかいだといておかしくなってちょっとわらった。


 デブリにねらいをさだめて、トリガーをく。みずいきおいよくいつちよくせんんで、デブリをちよくげきした。  

 みずいきおいにされてデブリが1メートルほどもどうした。そして、やはり3いろひかりになってえていく。


 タクヤはほっとむねろした。ヘルメットもゴーグルもOKだったし、ぶんえらんだでデブリをたおすこともできた。

 だったら、ごうかくだ。ほんとうほんとうに、サイバーガードいんかいのメンバーになれる!


 タクヤがにデブリをたおしたころちかくではヒトミがなんっていた。


「えいっ! やっ! うわーん、どうしよう、ぜんぜんたらないよう」


 ゆみをつがえてはつるいて、そのたびねらいがぶれるのかヒトミのはデブリにたるはいはない。

 タクヤがっているかぎりでも、たことがないほどヒトミはあせっていた。


「あのさ、えてみたら?」


 おなじクラスのヒトミはぶんおなじチームになる。だんいているヒトミはたよりになるから、あせったままではくないとタクヤはおもった。

 タクヤのアドバイスにヒトミはちからづよくうなずくと、っていたゆみほうす。


ふくいんちよう! すみません、えたいです!」

「はいはーい。なににする?」

やりでおねがいします!」

やり! うん、かついいね、きだな!」


 リンさんはやりき――すごくどうでもいいじようほうがタクヤにはいってきた。

 カタカタとキーボードをたたおとがしてヒトミのゆみえたかとおもうと、かのじよにはいつぽんやりにぎられていた。


「ありがとうございます! デブリたおしてきます!」


 はないきあらくヒトミがす。そしてさんざんはずつづけたデブリにかって、っているやりおおりにたたきつけた。


「やあっ!」


 りまくりのヒトミのこえひびいて、やりでぶんなぐられたデブリがえていく。

 タクヤはぼうぜんとそれをていた。


 やりは、すものだとおもっていた。なんとなく。


「やったー、やったよー!」

 

 ぶんしんちようよりながやりって、ヒトミがぴょんぴょんとねている。

 タクヤがおどろいているあいだに、ユウマのこえがテストのしゆうりようぜんいんごうかくをアナウンスした。        

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GO! サイバーガード委員会 加藤伊織 @rokushou

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