第2話 テストの準備

「まず、をひとつえらんでください。わないなとおもったらちゆうえられるよ。そのときわたしってね。かたはリンちゃんでもふくいんちようでもなんでもだいじようだよ」


 ふくいんちようあいリンががってげんよくこえけた。そのあいだいんちようのユウマはずるずるとなにかのはこってきている。

 6ねんせいなんにんつだってってきたのは、ヘルメットだった。


「タクヤくん、なににする? わたしね、ゆみ! いちきゆうどうやってみたかったの!」


 となりのヒトミはテストのことはいておくことにしたのか、えらびながらこうふんだ。

 すごちはわかる。タクヤものイラストにぜんとした。

 やっぱりあこがれのりようけん? それとも、さいきんはやりのかたな? ゲームでしたしんでるみずでつぽうもいいな――タクヤは、なかなかえらぶことができなかった。

 

 そのあいだに、6ねんせいが5ねんせいまえにヘルメットをひとつずついていく。ヘルメットからはパソコンにせつぞくするためのたんいていた。VRヴァーチヤルリアリティーだからこれをかぶるのだろうとタクヤにもそうぞうく。


「そろそろまった? まってないひとげて」


 ユウマのこえに、タクヤはグルグルとうごかしていたゆびめんいつてんめた。

 ちようきよしやていみずでつぽうつうしようシューター。ライフルのようなみずでつぽうに、なかうタンクにつながるチューブがいている。


まりました!」

まりましたー」


 たようなことがあちこちからがる。

 ユウマはがって5ねんせいわたすと、ヘルメットをってせつめいはじめた。


「じゃあ、つぎはヘルメットについて。そうくうかんはいるために、このヘルメットをかぶって、いろんなところでのうはかるんだ。じやくでんながしたりもしてるよ。はしったりんだり、ころんだりいたかったり、それはぜんVRヴァーチヤルリアリティーなかきたことにたいしてののうはんのうじつさいからだにはなにえいきようないからあんしんして。

 まずヘルメットをぶんのパソコンにせつぞくしてから、CGいんかいっていうアプリをげて。まだヘルメットはかぶらないで。つくえうえいてあるIDをにゆうりよくしてからまえれて。あと、そのまえだけど、ほんみようれてね。きよねんじようさいきようかくとうひめ』とかれてへんこうたいへんだったひとがいるから」

「ちょっとユウマ! それうことないじゃん!」


 タクヤのかいにすわっていた6ねんせいじよがガタッとをひっくりかえいきおいでがった。

 6ねんせいすうにんしようしていて、5ねんせいおどろいてかのじよている。


「あーあ……なにわなかったら5ねんせいにはバレなかったのに」


 ひとりユウマだけがためいきをついていて、ユウマのとなりにいるリンはこまったようにわらいながら「すわってすわって」とジェスチャーしていた。


「もー! いいもーん! ついでにしようかいしちゃうんだから! 6ねん2くみルナ! つきひめいてルナでーす! みにくいけどよろしくね! あいどう5ねんけんじゆつ3ねんぶんこのがつこうの6ねんせいなかではそうとうつよいよー!」


 ルナは、こしててかたよこでピースをしてニカッとわらった。

 ボーイッシュなみじかかみがたがよくう、あかるいせいかくおんなえる。


「5ねんせいとうろくわったかなー? 6ねんせいえたいひとほんとうにいない? テストできるの今日きようだけだよ」

「あ、って! 5ねんせいがふたりともシューターえらんでるし、もうひとりのいんゆみだから、える。ひとりはせつきんせんできないとつらいよね」

「さっすがー、ハルトはくうんでるね。でもだいじようだよ、もしかたよりすぎたらチームのえすればいいから」

「そうか、そうだよね。5ねんせいもシューターからへんこうするかもしれないもんね。じゃあ、このままでいいや」


 6ねんせいどうあいだわされるかいに、タクヤはおどろいていた。

 ぶん使つかってみたいえらんだけども、ハルトとばれた6ねんせいはチームぜんたいのバランスをていた。

 たった1ねんちがうだけなのに、タクヤにはハルトがとても大人おとなえる。ユウマとおなじように、キラキラとしてえた。


 アプリケーションにとうろくをするまっていたので、あわててタクヤはキーボードをった。

 ID、まえ、そしてせんたくさいにタン、とエンターキーをすとカクカクしたデザインのいぬのマスコットが「ようこそ、タクヤ!」とかえてくれた。


「うん、いいかんじ。IDのじようほうはこっちからもえるようになってるからね。あととうろくひとり――わったね。としの5ねんせいゆうしゆうだなあ!」


 ユウマがニコニコとわらって5ねんせいめる。クスクスとわらいが5ねんせいあいだひろがった。


今日きようはシミュレーションだから、れてもらうのと、デブリがどんなものかじつさいぶんかくにんして、いろいろたたかってみて。っておもったらこえしておれふくいんちようえばだいたいのことはかいけつできる。じゆんはOK? そうしたら、ヘルメットをかぶって、ゴーグルをろして」


 ヘルメットをるだけでドキドキしてくる。くろいヘルメットはつやつやしていて、うちがわたしかにきんぞくなんしよえた。


「あ……かみじやでヘルメットがかぶれない」


 ポニーテールがっかかったのか、となりのヒトミがいちヘルメットをいた。そして、するりとヘアゴムをはずしてバサッとひろがったかみぐしでまとめ、ヘルメットのじやにならないようにひくむすんだ。

 タクヤはヒトミといままで2かいおなじクラスになっているけれど、ヒトミを「かついい」とおもったのははじめてだ。

 そして、6ねんせいじよひくかみむすんでいたりしたのは、ヘルメットのためなのだとがついた。

 かぶってみるとヘルメットはタクヤのあたまおおきさにちょうどい。


「ゴーグルろした? けてる? もしいまこわい』ってひとがいたらなおおしえてくださーい! せまいところとかにがひとくるしくなっちゃうことがあるの」


 リンのこえちゆうけてるけども、タクヤははやくVRくうかんはいってみたくてかたなかった。


「じゃ、シミュレーションプログラムどうってらっしゃい!」


 くらだったタクヤのかいに、いろとりどりのひかりがぼんやりとかびがる。

 なんまばたきすると、タクヤはそうげんっていた。しゆうにはおなじ5ねんせいぜんいんいるらしい。みんなおもおもいのにしている。


「これが、VRヴァーチヤルリアリティーなんだ!」


 はじめてのたいけんうれしすぎて、おもわずタクヤはさけんでいた。

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