GO! サイバーガード委員会

加藤伊織

第1話 4月、初委員会

 2021ねん、デジタルちようほつそく

 どうねん4がつより、すでしようちゆうがくせいにはひとり1だいのパソコンがはいされていた。


 すうねんもんがくしようていあんにより、かくがつこういんかいかつどうとして「サイバーガードいんかい」があたらしくもうけられた。


 がつこうないのローカルネットおよび、がいせつぞくしているパソコンへのセキュリティをえたこうげきてきこうや、せいどうのスマートフォン使ようなどによるじんじようほうりゆうしゆつなど、トラブルにたいおうするためのいんかいだ。


 ぶんたちのトラブルは、ぶんたちでかいけつする。かいけつしてしい。

 できれば、トラブルになることはしないように。


 大人おとなたちのねがいがめられたのが、サイバーガードいんかい


 いんかいかつどうはふたつある。

 ひとつは、「ネットリテラシー」とわれる、あんぜんにインターネットを使つかうためのやくそくごとひろめること。

 つきに1いんかいだよりをして、じようほうはつしんをしている。


 もうひとつは、がつこうないでたまったプログラミングのバグや、メールにいてきたウイルスなど、ゴミというの「デブリ」とばれるてき退たいすること。



 

「うおおお、かっけー!」


 いきなりうしろでハヤトがさけんだので、おもわずタクヤはみみをふさいでしまった。

 しようじきなところ、なんでハヤトがここにいるんだろう? とさっきすこおもった。

 まつもとハヤトとはきよねんおなじクラスだったけども、かれはプログラムもパソコンのあつかいもそんなにとくではない。


 サイバーガードいんかいにんのあるいんかいだから、ぼうしたらかなられるわけじゃない。

 かくクラスからだんじよめいずつ、ぼうしたなかせんせいいんかいのメンバーをえらぶ。


 こんタクヤは、サイバーガードいんかいえらばれたとき、うれしすぎていえかえってからベッドにダイブした。それが1しゆうかんまえのこと。

 


 れたもくてきしつにはいつもとちがかんじにつくえならべられていて、だいかいのサイバーガードいんかいかつどうとしてあしれたタクヤはとてもきんちようした。

 となりすわっているおなじクラスのヒトミもきんちようしているらしくて、ぶんのタブレットパソコンにおくられてきたりようをじっとている。


 タクヤもヒトミのように、かみのプリントではなくでんされたりようむことにした。

 1ページには、サイバーガードいんかいあいこといてある。

 


 ・インターネットはどうおなじ。あぶないことはしてはいけない。ひとかれてこまることもはなしちゃいけない。

 ・どうはどこまでもつづいている。ずかしいしやしんをアップしたりしたら、きゆううらがわまでっちゃうかもよ?

 ・だけどどこへでもけるのはとっても便べん! ただしい使つかかたにつけよう。

 


 タクヤにとってはれたことだった。いんかいだよりにいつもいてあるからだ。

 1ねんせいときから、タクヤはサイバーガードいんかいあこがれていた。

 

 ページをめくると2ページには、バーンとのイラストがえがいてあった。ハヤトはこれをこうふんしたのだろう。ほんとうやり、タンクしきみずでつぽうゆみ、それに、ゲームでゆうしやっていそうなけん――たしかに、すごかついい。

 

 これからぶんがこれをそうしてVRバーチヤルリアリティーかいたたかえるんだとおもうと、きんちよういつしよけつえきがぎゅーっとからだじゆうすごいきおいでまわはじめる。


 がつこうのネットのあんぜんや、ネットリテラシーがどうとかじゃなくて、サイバーガードいんかいはVRかいたたかえるからとてもにんなのだ。



「それでは、こんねん1かいのサイバーガードいんかいはじめます。おれいんちよう西にしユウマです」

ふくいんちようあいリンです、よろしくおねがいします」


 もくてきしつおくかれたながづくえすわるふたりがしようかいをした。いんちようふくいんちようは6ねんせいで、5ねんせいときにもサイバーガードいんかいだったひとがなるとまっている。


 とつぜん、あれ? とタクヤはがついてしまった。

 ながづくえをふたつくっつけてが4ついてある「しま」が、もくてきしつには3つある。

 タクヤたちのかよしんしらうめしようがつこうは1がくねん3クラスだから、5ねんせいと6ねんせいが1クラスずつセットでしまつくってあるのだろう。


 つまり、ひとつのしまには4にんずつ。タクヤのかいには、らない6ねんせいじよすわっていた。そのとなりだれすわっていない。


 ――ということは、あそこはユウマせんぱいせきなんだ!


 西にしユウマはがつこうゆうめいじんで、らないひとはいないくらいだ。

 

 タクヤの1ねんうえの6ねんせいには、ほかにもなんにんかとてもゆうめいひとがいる。モデルをやっているすごじんのマスミせんぱいとか、ものしようがくせいとしてテレビにたりしているカズトせんぱいとか。

 

 しんぞうのドキドキがバックンバックンになってきた。

 ふくいんちようのリンせんぱいくろながかみひくでツインテールにしていた。そのよこのユウマせんぱいは、るからにあたまさそうでキリッとしている。


「6ねんせいきよねんえらんだでいい? へんこうしたいひとがいたら、いまうちへんこうしてください。5ねんせいは、をひとつめて、これからテストをします」

「テストってなにをするんですかー!」


 リンせんぱいせつめいに、ハヤトがげておおきなこえたずねる。

 ユウマせんぱいがハヤトのしつもんこたえるためにがった。


「サイバーガードいんかいで、ほんとうにやっていけるかのテストだよ。たまに、せんとうできないひとがいるんだ。きよねんもデブリをたら『ぜつたい』ってひとがいて、べついんかいうつった。だからそのテストにごうかくしないと、ほんとうにサイバーガードいんかいにはれないんだ」


 5ねんせいあいだにザワリときんちようはしった。


 テストにごうかくしないとサイバーガードいんかいにはれないなんて、そんなことははじめていた。


「そんなの、はじめていたよ」

「うん、ぼくも」


 となりのヒトミがびっくりしたかおつぶやいたので、タクヤもすこしのおそれをめてちいさなこえでこたえた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る