概要
東大入学三日で不登校になった兄は大都会という名の荒野を疾駆する
東大に入学して三日で引きこもりになった兄貴が四年後に誘拐され、放火で両親が殺されたところから話そうか。
これだと、「へえ~」と食いつきがいいかもしれない。
いきなり、兄貴の身代金を要求する脅迫状が来たところからだと、話が分かりにくいだろうから・・・。
両親は、とにかく兄貴が自慢の種だった。
なにせ、私立の中高一貫のなどには行かず、そのへんの公立の高校を出て、現役で東大に合格した。
それでもって、すらりとした長身で、にきびひとつないすっきりした顔をしていた。
そいつが、三日で登校拒否。
終日部屋に閉じこもって一歩たりとも出てこない。
おふくろが食事を載せたトレーを二階の階段の上がりはなに置くと、兄貴は扉をさっと開いて猿のようにトレーをひったくり、食べ終えると空のトレーを扉の前にもどしておく。
これだと、「へえ~」と食いつきがいいかもしれない。
いきなり、兄貴の身代金を要求する脅迫状が来たところからだと、話が分かりにくいだろうから・・・。
両親は、とにかく兄貴が自慢の種だった。
なにせ、私立の中高一貫のなどには行かず、そのへんの公立の高校を出て、現役で東大に合格した。
それでもって、すらりとした長身で、にきびひとつないすっきりした顔をしていた。
そいつが、三日で登校拒否。
終日部屋に閉じこもって一歩たりとも出てこない。
おふくろが食事を載せたトレーを二階の階段の上がりはなに置くと、兄貴は扉をさっと開いて猿のようにトレーをひったくり、食べ終えると空のトレーを扉の前にもどしておく。