かつては哲学が学問の土台であったように、今は社会学が

古代ギリシャとか、古代中国の思想家のその立ち位置の基本は、おそらくは哲学であったんじゃないかと思います。あらゆる学問を内包していたのが、当時の哲学であったと言いましょうか。

哲学から派生していった論理学や数学や自然科学があって、そして、学問的方向性を深く狭くしていく中で、今や学問はもっともっと細分化され、多岐に分岐したそれらは互いに交じり合う事を拒否しがちに振る舞ったりもする。

でも、細分化された各分野の学問を、それぞれに取り入れた後に、自分の中で統合する事こそが、【学ぶ】というヒトの行為の集大成であり、それこそが醍醐味であろうと思います。

その、統合の為の軸の一つとして社会学はとても有用なのですが、社会学は今のところ、哲学と同様に一般的ではありません。とても広い学問であるが故に、ふわふわとしたイメージで、一般的には【すぐに何かの役に立つ学問ではない】と認識されているように私は思っています。

そんな、【有用か無駄かと問われれば有用であるのだろうけど、その学問に触れる事で、即、何かの役に立つようなものではない社会学】というモノの魅力を、少年少女の生き辛さを背景に、私たちにやさしくおもしろく教えてくれるステキな作品です。ご一読をオススメしたいですし、作中で説明されている社会学そのものや、社会学的アプローチについて疑問に思った事等があれば、コメント欄にその旨を書き込んで欲しいと思います。

私は大抵、「今回の内容も面白かった。コメント書き込みたいな。でも、コメント欄が私ばかりになると、他の人が書き込みにくくなるな。自重しよう」とコメントを控えておりましてですね。
コメント欄がもっと社会学で溢れたら、私もコメントを書き込みやすくなるなと思っているのです。

そして、こういう作品で、社会学を世に広く知らしめたいと願っておられる作者さまも、「あぁ、この回のこの表現では社会学を知らない人には伝わりにくいのだな。次はもっと工夫しよう」と思えるようなコメントを待っていらっしゃるように思うのです。

そんな訳で、この作品を読む事と、読んでコメントを書き込む事をめっちゃオススメしたいんです。

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