"大聖堂の天使"は、騎士たちの長たり得るのか

ある冬の寒い夜──まるで、神からの贈り物と言わんばかりに、枢機卿の前に現れた小さな赤ん坊。

セラフィナと名付けられたその赤ん坊は、無償の愛を教会関係者たちから注がれ、やがて見目麗しい神秘的な少女へと成長した。

──"大聖堂の天使"。人々は彼女をそう呼んで可愛がり、或いは信奉した。けれども、そんな日常は大きく変化することとなる。

それは運命か、将又神から与えられし大いなる試練か──

美しく成長したセラフィナは、王立騎士団を率いる"統轄長"に任ぜられる。世間知らずの箱入り娘。籠の中の鳥だった彼女に、鎖に繋がれた狂犬と言っても過言ではない、屈強なる荒くれ者たちを御することは出来るのか。

世俗に疎い純真無垢な少女が、一癖も二癖もある補佐官たちに振り回され、或いは逆に振り回しながらも、一歩一歩着実に騎士団の長としての道を歩んでゆく物語。

果たして"大聖堂の天使"は、騎士たちの長たり得るのか──今後が楽しみな逸品。

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