ネタバレほど興醒めするものはないので、可能な限りネタバレを避けつつ本作の魅力について語りたい。
本作は日本神話をベースに、オカルトやヒューマンドラマを織り交ぜた現代SF×ファンタジー(舞台は昭和だが)である。
稚拙な表現、冗長な言い回しと作者様は卑下していらっしゃったが、あくまでライトがヘビーだっただけで寧ろ、言い回しや表現力は今まで拝読したWeb小説の中でもトップクラスではないかと私は考える。このレビューを書いている私自身、Web小説なるものを読み始めてまだ日は浅いのだが……
日本神話の大まかなあらすじを若干知っていれば勿論、知らずとも楽しめるよう工夫がなされているので、四の五の言わず、二の足を踏まずに手に取って頂きたい。
このまま埋もれてしまうには勿体ない──そう思わせるだけの力を秘めた大作である。