白紙

 無垢、その言葉は時として残酷でもあり慈悲でもある。主人公の謎めいた生い立ちもまた、残酷でもあり慈悲でもあるとしたものか。

 さておき、今のところは良き出会いに恵まれ少しずつ学びを得ているようだ。しかし、何かしら胸騒ぎを感じてならない。風雲はまさに急を告げんとしている。

 作者一流の遊び心にあふれた物品といい、主人公の運命といい、入魂の一作なのはいうまでもない。

 必読本作。

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