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 次の朝、梓が目を覚ますと、寝室にミリアムの姿はなかった。

「ミリアム」

 梓は彼女の名前を呼びながらベッドを下りた。

 ミリアムはリビングにいた。専用の大きな椅子に腰かけ、瞳をじっと閉じている。両手をきちんと揃えて置いた膝の上に、弓絵の写真が入った写真立てを載せていた。

「ねぇ、ミリアム」

 梓の声に、あらゆる応答はなかった。長い睫毛を伏せた美しい顔は停止し、さながら生物と同じ「死」を迎えたように見えた。

 その唇にほのかな微笑みをたたえながら、ミリアムは永久に停止した。

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ミリアム 尾八原ジュージ @zi-yon

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