まりちゃんも、あおいちゃんも、互いのことを一番の友達だと思っています。
まりちゃんはあおいちゃんの運動もできて勉強もできるところを、あおいちゃんはまりちゃんの素敵な笑顔とピアノが上手なことを、心から信頼していました。
彼女たちは身の回りに起こった異変によって少しずつ引き離され、思い出す度に「会いたい」と願いながら、それぞれ孤独な闘いを強いられるのです。
彼女たちの心細さを描く筆致には、胸をきゅうと締め付けられるものがありました。
信じていたものに疑念を抱き、親しく思っていたものに扉を閉ざし、少しずつ追い詰められていく少女たち、いつの間にか背後に立っていた怪異――彼女たちは、再び楽しかったあの頃を取り戻すことができるのでしょうか。
これは、元の自分に戻って、そして元のあなたに戻すための物語。
まりちゃんとあいちゃんの絆にも注目です。とても泣けるので。