クトゥルフベースの独特の世界観に惹き込まれる!

本作はタイトルにあるとおり「第二幕」となります。まずは「序幕&第一幕」(完結96話)を読むことをお薦めします。とはいえ、私も先に「第二幕」から読んでしまった口で、冒頭に「はじめに読んどけ。」エピソードがあるので、全くついていけないということはありません。

ハワード・フィリップス・ラヴクラフトによるクトゥルフ神話が下敷きになっています。この分野に興味がある方は、まずもっと必読と言えるでしょう。

本作は第一次世界大戦直後の大日本帝国を舞台にした、現代ファンタジー&伝奇ホラーです。
伝承学者を目指す青年の宮森を主人公として、秘密結社、魔術師、邪神、魔物、仙境等々、多彩な要素が盛り込まれ、クトゥルフベースがありながらもオリジナリティ溢れる作品に仕上がっています。

何より、卓越した文章力、構成力が素晴らしいです。一見、硬い文章に思えますが、時にはかなり柔らかな文章があったりと、緩急のつけどころも巧みです。

「第二幕」では北極にまで行ったりと、かなりの広がりを見せていますが、現時点で73話、この物語はどこに行きつくのでしょうか。まだまだ謎と不思議の多い本作です。

是非、この機会に一気読みをいかがでしょうか。独特の世界に惹き込まれますよ。


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