一度は読んでみて欲しい作品

昔、「ある人の書いた文章」が人々の心を動かし、世界的な事件を引き起こしました。
故に同じく「文章を書ける人」は危険であり、現れた際には早期発見・監視及び、有害と判定された場合は、即刻排除。

この作品が扱う題材を私なりの解釈で置き換え、「物書き・読者」の皆様にお伝えすると、こうなると考えました。

個人単位での認識はともかく、世論――世界的大多数の認識が、元の世界に再び転生してきた"再転生者"への忌避。
過去にあった被害、常人とは違う力、一度異世界を介したが故のズレた常識。
それらを踏まえて恐怖するのは理解も納得も出来ますし、"未知の脅威"に対して最も安心できる方法を作中で取っていると、読んでいても頷けます。

ですが「転生者を匿ったら指名手配犯になりました」では、作中の一般論を踏まえた上での個人的認識の違いが、うまく描かれていて面白いです。

"転生"……この一言だけで避けず、"転生"に対する一つの認識を得るとして、この作品を読む価値は有ると思います。
長くなりましたが、このレビューが「転生者を匿ったら指名手配犯になりました」の人気を博す一端となれるよう、願っております。

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