仮面ライダーのような特撮ヒーローものが好きというのは、日本男児には遺伝子レベルで刻み込まれているのかもしれません。私は幼少期以外は特撮ヒーローものに触れてこなかったのですが、この作品を読んで、当時の感覚がそのまま蘇ってきたのには驚きました。主人公が過去の出来事と正面から向き合い、覚悟をもってヒーローに変身する場面は、彼女の熱い心の温度が読者である私にもダイレクトに伝わってきました。また、主人公の明るい性格も好感度が高く、キャラクターとストーリーのバランスがちょうど良いなと思いました。
※"地震"の描写があります。お読み際にはご一考ください。──変身。この一言に魅力を感じる方へ、オススメしたい一作です。作中の展開は、変身ヒーローものとして王道的。猫のぬいぐるみ的なマスコットが出てくるなど、度々魔法少女めいた要素をみせるも、主人公「日代唯愛」は一貫してライダーを意識した言動。各話のサブタイトルも、分かる人にはアレだと理解できるつけ方。マフラーをたなびかせる。そんな一枚絵を連想する本作。一人の少女が魅せる"ヒーロー"の定義、風が吹くそのときに目撃しませんか?