別の世界だとか、冒険だとか、そんなことよりも、常に根底にある日常の物語

なんらかの理由で、終わりを迎えた地球文明。
でも、全て無くしちゃうのは勿体無い!!
ってことで、設計士、製造士、医療士、農業士……とそれぞれの分野のチート能力を持たされた12人が全く別の星?世界?で、それぞれ思う通りに生きてください。と言われてしまうお話です。
物語のプロローグは設計士がマッパで目覚めるシーンから始まって、少しずつ仲間を増やしていくと言う、ある意味テンプレな進み方をしますが、内容は、全くテンプレではありません。

作者の培った物を作るという潤沢な知識が、ふんだんに盛り込まれた設計し、製造するシーンは、リアルな描写で読み手を唸らせてくれます。
また、物語の中でどうして、物を作るのか、それをどう使うのかと言う疑問を登場人物が、悩んだり選択していく過程は、別の世界だろうが、チートだろうが、関係のない共通の概念なのだと、読み手に訴えかけているかのようです。

魔獣という括りの狼や、竜が出てきて、冒険が進んで行きますが、常にこの物語の根底にあるのは、眠ったり、食べたり、悩んだり、相手を信用したりされたりする日常です。
非日常の中にいながら、日常の核を感じながら進められる物語を、一読されることをお勧めします!!

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