作者様の仕掛けた壮大な魔法
- ★★★ Excellent!!!
地球の文明の終わりに際して、地球の記録を持って別の世界で文明の再試行。
設定の段階から奇想天外!!
こういうことを考える方の脳はどこまで進化してるのだろうかという作者様への関心が強く働きました。
物語に入ると、あり得るかもしれない未来の物語でもあり、創造力という宝を身に有した人間の始まりの物語とも感じながら進めていました。
それぞれの個性や思考、絡み合い、会話、つぶやきに笑わされながら、仲間と出会う喜びを共に感じる楽しい旅路でした。
使ったこともなく聞いたことすらない難解な言葉が流れるように繰り出され、特に科学、物理用語?は意味が分かりませんでしたが、ストーリーの面白さでぐいぐい読まされていくうちに、幼子が言葉を獲得していく過程に似て、意味をキャッチしている喜びは大きいものでした。
互いを補完するように有する個々の力は絶妙なタイミングで生かされ、愛すべきチームワークを形成し、心癒されます。
魔獣、魔石、魔素は実に魅力的なエッセンスです。
大きな仕掛けはエンディングに用意されていました。
予想を大きく覆すエピローグは突然現れ、しかし「こういうこと?」という大納得があるのです。しっくりと腑に落ちるのです。
作者様自身が大いなる「言葉の魔術師」であり、読後に感じる地球愛は作者様のこの物語に仕掛けた魔法そのものだと感じました。
言葉こそ、魔石であり、魔素。
読後に得たものです。この出会いに深く感謝いたします。
素晴らしい物語をありがとうございました。