バレンタインデー・シンドローム

【KAC2021　４回目のお題「ホラー」or「ミステリー」の応募作品です】

捜査一課の吉野朱里はその日、非番であるにもかかわらず、同期の日浦に頼まれて交通事故で死亡した人間の家族に話を聞きに行くことに。
ただの交通事故、だがその被害者は、吉野が過去に担当していた暴行事件の加害者だった。
事故はただの事故なのか。それとも……誰かが殺したのか。

だけど真実というものはいつも、現実というあいまいなものの中に溶けていく。
――まるで、チョコレートの中に溶けていくように。