一文字三星紋は天下一品の品位。元就を調べ尽くした作者さまの逸品とも☆

明治期の長州藩でも名を轟かしめる「毛利家」の祖、毛利元就。一代のうちに一国人領主から芸備防長雲石の六ケ国を支配する太守へとのし上がった戦国大名だが、その名が知れ渡るのは彼も歳を重ねた頃のこと。そんな元就の若かりし時代を、初々しく躍動感に溢れた描写で綴ったのがコチラの作品。

少数(元就軍)で大軍(武田氏)を屠るシーンは圧巻の一言。後年、謀神と崇められた片鱗を見せつけると共に、若さ故の初々しさと大胆な行動にも胸が熱くなる。とにもかくにも、読者に向けて「戦の熱量」を出し惜しみせずに浴びせてくれるのが心地良い。

妻(妙玖)との馴れ初めと漫才のようなやり取りにも注目!(←ココ大事)

タイトルの通り、物語は序盤も序盤ですが、ここまで面白いと元就の生涯を通して拝読してみたいです。成り上がりの人生を、作者さまの確かな筆致で読み続けたいものです☆

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