美味しいクトゥルフ入門を召し上がれ♡
- ★★★ Excellent!!!
私のようなクトゥルフ・ビギナーにも楽しめる(これ、重要!)連作です。
読者は主人公の麓郎くんと一緒に、まずはいつものマートでお買い物。話数を重ねるごとになぜかどんどん可愛くなっていくお母さんとの会話を楽しみ、いざ食レポへ。
「これがどのメニューも、とっても美味しそうなんですよねぇ(よだれ)」
作者様の筆力にグイグイ引っ張られ、ひたすら美味しそうで美味しそうで♡ クトゥルフのことなんか一時どこかへいってしまいます。ハッと我に返って物語に漂う黒く怪しい霧を思い出すのは、ラストへ向けてのとんでもない展開に突入してから。ブラック・コメディやホラーが好きな方なら、きっと誰でも楽しめます。
小説や漫画やアニメで、あなたも知らないうちに触れているかもしれないクトゥルフ神話。この作品をきっかけに、改めてご本体を覗いてみるのもいいかもしれません。そうそう。『文豪ストレイドッグス』に出てきたクトゥルフの生みの親、ラヴクラフト氏はなかなか良い雰囲気でしたね。