山は高さより深さに注意! 深きとこにこそ未知はある。

誰もが知る日本の千葉県の低山で、人知れず繰り広げられる恐怖。

道なき道を行くこと、未踏の地に行くことに喜びと、達成感を感じる信介の元に訪れる、2人の男女の研究者と肉塊。

未踏、いわゆる秘境という、ちょっと日常から外れた世界。そこにあるのは未知の期待感と、ほんのちょっとの不安。その絶妙なバランスが日常と繋げてくれているはずなのに、話が進むにつれ不安は大きく存在感を増していき、気がつけば読み手もどこかへ引きずり込まれている。

一話が千字前後ですが、情報量は濃く、次は?、次どうなるの? 気になって仕方なくて、ズルズル物語に引きずり込まれていくこと間違いなしです。

物語の本筋も面白いのですが、登山についての知識や、保存食、登山家の料理など、所々に作者の知識の広さと深さを感じられ楽しめます。
そして、クトゥルフ神話に詳しくない私ですが、楽しんで読ませてもらっていますので、そこで身構えなくても大丈夫だと思います。もちろん、知っていればもっと楽しめると思います。


現実じゃないのに、どこまでも現実に入り込んでくる恐怖、是非とも味わってほしいです!

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