★
0
概要
その探偵事務所は表と裏の境に佇む
抗争のなかで後遺症を残した「寅」は華々しい前線から退き、組傘下の金融会社で数字を数える日々を過ごしていた。
近頃の楽しみは駆け出し小説家「相葉」のネタ出しに付き合うこと。
ヤクザの昔話、それもかつての武勇伝だけならまだしも、転落人生のオチつきだ。面白い作品になるとは思えないが、手を黒く汚しながらも喜んで話を聞く姿は、かつての部下と重なった。
彼の名が世間に広まる日を、寅は密かに心待ちしていた。
──「相葉」という人間はどこにも存在しないのに。
暴力団と手を結び、猫を探す少女に手を差し伸べる。
それが八代探偵事務所の日常だった。
※2018.08 『COMITIA125』で頒布した作品のweb再録です
近頃の楽しみは駆け出し小説家「相葉」のネタ出しに付き合うこと。
ヤクザの昔話、それもかつての武勇伝だけならまだしも、転落人生のオチつきだ。面白い作品になるとは思えないが、手を黒く汚しながらも喜んで話を聞く姿は、かつての部下と重なった。
彼の名が世間に広まる日を、寅は密かに心待ちしていた。
──「相葉」という人間はどこにも存在しないのに。
暴力団と手を結び、猫を探す少女に手を差し伸べる。
それが八代探偵事務所の日常だった。
※2018.08 『COMITIA125』で頒布した作品のweb再録です
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?