第6話 サクラサク

翌年の春。

私にサクラが咲いた。

なんと石川高校に合格できたのだ。


全ては蓮くんのお陰だ。一緒に通えたらよかったのにな…。


心の中は複雑だった。

そう。私の本当の目標は石高ではなく、蓮くんと同じ学校に通うことだったから。


石高合格のご褒美にスマホを買ってもらった。

思わず笑みがこぼれる。

スマホを持つことよりも、これで蓮くんとラインができるようになることが嬉しかった。


すぐに蓮くんに手紙を書いた。

石川高校合格の報告とラインのIDの連絡だ。


三日後、返事が届いた

『石高合格おめでとう。頑張ったね。俺も第一志望に合格できたよ』

よかった。蓮くんもW実業に受かったんだ。

自分のことのように嬉しかった。


ラインは一週間に一回程度、身の回りの出来事を報告する程度にした。

あまり多いとウザがられると思ったから。このぐらいがちょうどいいんだ。

でも、会いたいという気持ちはだんだんと膨らんでくる。


私は思い切って『会いたい』と送った。

でも、返事はつれなかった。


『ごめん。今は忙しいから会えない』


やっぱりな…。

自分でも予想していた答えだったのにやっぱり悲しかった。


笑いながら心の中で泣いた。

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