明治期の山形を駆け、やがて世界へと駆けめぐる男――その青春とは
- ★★★ Excellent!!!
明治期の東北というと、戊辰戦争の傷跡が生々しく、復興あるいは巻き返しに挑む熱さに満ちたイメージがありますが、その――北国らしからぬ熱さ、熱風の嵐の中を、雄々しく、健やかに、まるで杉の大樹のようにすくすくと育ち、そして世界へとその梢を伸ばしていく男、安達峰一郎。
だが彼の生地、山形は、県令・三島通庸の支配下にあり、危機に瀕していた。その危機に立ち向かう大人たちの背中を見て、峰一郎は何を思い、どう行動していくのか――。
大河でありながら、それだけでなく、友情あり、喧嘩あり、恋愛ありと、その熱い日々を共に過ごすことができる青春譜です。
また、山形という、豊穣かつ人情味あふれる土地の素晴らしさも伝わってくる、逸品です。