概要
「生きるということは、諦めることよ」
「生きるということは、諦めることよ」
天文部部長、東雲とばりはそう言って、部室で『諦め屋』を営んでいた。
『諦め屋』――そこを訪ねれば、なんでも諦めさせてくれると噂される場所。
だが、同じく天文部員であり後輩の宵山晴人は、天文部が『誰かを諦めさせる場所』として使われることを好ましく思っておらず、今後の部の在り方を決めるため、東雲とばりと『賭け』をする。
そんな時、晴人の幼なじみである星宮夕月が、ひとりの女子生徒を連れてくる。
彼女はここへ来た理由は『諦め屋』を訪れるためであり、『何かを諦めるため』だった。
東雲とばりは彼女の依頼を聞き、『諦め屋』の活動が始まる。
一人、また一人とやって来る依頼者。彼らが『何かを諦める』のを見ていくうちに、晴人は「諦めるということは何を意味するのか」、
天文部部長、東雲とばりはそう言って、部室で『諦め屋』を営んでいた。
『諦め屋』――そこを訪ねれば、なんでも諦めさせてくれると噂される場所。
だが、同じく天文部員であり後輩の宵山晴人は、天文部が『誰かを諦めさせる場所』として使われることを好ましく思っておらず、今後の部の在り方を決めるため、東雲とばりと『賭け』をする。
そんな時、晴人の幼なじみである星宮夕月が、ひとりの女子生徒を連れてくる。
彼女はここへ来た理由は『諦め屋』を訪れるためであり、『何かを諦めるため』だった。
東雲とばりは彼女の依頼を聞き、『諦め屋』の活動が始まる。
一人、また一人とやって来る依頼者。彼らが『何かを諦める』のを見ていくうちに、晴人は「諦めるということは何を意味するのか」、
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ミステリアスな年上の先輩との奇妙な賭けと、青春のきらめきが儚く美しい
東雲先輩は、一体、なにを諦めて「生きるということは、諦めることよ」なんて言うようになったのか?
なんてミステリアスで心惹かれるヒロインでしょうか!
また、「諦めること」を主題とした連作は、諦めることの難しさとその先にある日常が瑞々しく描写されています。
決して、諦めることの可否を決めるようなお話ではなく、前向きに生きるためにはどうすれば良いか?という問いかけのようなお話です。
話数が多いな……と躊躇している方、安心してください。
とても読みやすい文体は、あっという間に小説の世界の中に引き込まれ、いつの間にか沢山読んでいる……という素晴らしい読書体験を与えてくれることでしょう! - ★★★ Excellent!!!「諦める」ということの難しさ
「人生諦めが肝心」
誰が言い出したか分からないが、私はこの言葉が好きではない。
諦めることの言い訳として、安易に使われることが多いように思う。
本当は、真剣であればあるほど、諦めることは難しい。
苦しくて泥臭くて結果が出るかどうかなんて分からない、無意味なことの連続に思えてしまう。
でも一度諦めてしまうと、諦めていない誰かの姿が鬱陶しくなる。
諦めない誰かの姿に、自分の姿が間違っているかのように感じてしまう。
そう簡単ではないのだ。「諦める」という営みは。
本作は「諦め屋」という特殊な仕事(?)を行う高校生の物語だ。もう、この単語一つだけでそそられるものがある。依頼人たちはそれぞれ…続きを読む