ノート2.14 ジャンルによって、PV数や♡に差はあるの?

(注意)本作のデータは全て2021年1月19日から20日にかけて取得されたものです。


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「タケル君、しばらく研究室に来なかったけど、何かあったの?」


 俺――研究所主任研究員マッドサイエンティスト草薙くさなぎタケルが久しぶりに研究室に足を踏み入れると、少しふくれっ面の研究室助手アシスタントとう景子けいこがわざわざ入り口までやって来て出迎えてくれた。


「ごめんね、ケイコちゃん。ちょっとリアルの仕事が暴発して、こっちに顔を出す時間が作れなかったんだ……」

「そう言えば、タケル君の本当の仕事って何なの? 私にも教えてくれないとか、人様には言えないようなやましい仕事な訳?」

「そういうわけじゃない」

「じゃぁ教えてよ」

「うーん、『読み手』の皆さんは大体察してると思うし、今更言う必要ない気がする」

「全然分かんない」

「強いて言うなら物書きかな」

「え? まさかプロの小説家!?」

「それは明確に否定しておく。

 ただ、『締め切りがーっ!』は日常茶飯事だし、『俺が書いたものが誰かに読まれないかなー』みたいな、まさにカクヨムの小説のようなことをリアルの仕事でも期待している自分がいる」

「うーむ、全く分からん。新聞記者か何かかな……」

「想像にお任せするよ」

「読まれると言えば、読まれやすいジャンルとかあるのかしら? ジャンル別分析の途中だったわよね」

「そうだな。前回はジャンル別における星の比較を行った。と言うことで、今回はPV数と応援数の中央値を比較してみよう」

「ようやく続きのデータを見られて嬉しいわ。どんな結果かしら――」


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 統計情報:ジャンル別 PV 数中央値(2021年1月20日)

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 1位:けものフレンズ 201.5 PV

 2位:ラブコメ 127 PV

 3位:異世界ファンタジー 105 PV

 4位:歴史・時代・伝奇 104 PV

 5位:創作論・評論 83 PV

 6位:ミステリー 61 PV

 7位:恋愛 50 PV

 8位:SF 48 PV

 9位:エッセイ・ノンフィクション 48 PV

 10位:ホラー 45 PV

 11位:現代ファンタジー 39 PV

 12位:現代ドラマ 30 PV

 13位:詩・童話・その他 18 PV

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「ぶっ、『けもフレ』が 1 位ってどんだけーっ」

「他のジャンルに比べて作品数が少ないってことは多少影響してるとは思うけど、盛んに読まれていると言うことは間違いないね。

 実質的な 1 位は『ラブコメ』。基本的には星の順位と大差ないという結果になった。例外は『ホラー』かな。あまり読まれていない割には星がつきやすい傾向にあるようだ」

「私は『異世界ファンタジー』の方が上だと思ってたから、ちょっとしてやられたわ。それに、★のときも上位に来てた『歴史・時代・伝奇』が 4 位ってのが意外ね」

「逆の見方をすれば、よく読まれているから星も付きやすいと言うことだろう。事実、『現代ファンタジー』や『現代ドラマ』は星も PV 数も順位は低い」

「確かに」



「続いては応援数だ。星の時と同じく、クラスカル・ウォリス検定を用いて中央値の比較を行った。見た目は同じ応援数でも、検定した結果差違が出ている場合があるぞ」

「この理屈が本当に分からないけど、タケル君を信じるわ……」


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 統計情報:ジャンル別応援数中央値(2021年1月20日)

 クラスカル・ウォリス検定を適用した結果

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 1位:歴史・時代・伝奇 ♡ 5

 2位:異世界ファンタジー、ラブコメ、創作論・評論 ♡ 4

 3位:ミステリー、けものフレンズ ♡ 3

 4位:恋愛 ♡ 3

 5位:SF ♡ 3

 6位:ホラー、エッセイ・ノンフィクション ♡ 3

 7位:現代ファンタジー ♡ 3

 8位:現代ドラマ ♡ 2

 9位:詩・童話・その他 ♡ 2

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 備考:同じ順位内は有意水準 1 % で有意差無し

    各順位間に有意水準 1 % で有意差有り

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「『歴史・時代・伝奇』が ★ と ♡ で2冠達成じゃない。スゴいわね!」

「いやー、これは俺も驚いた。本当に興味深い結果だよ。熱心な『読み手』がつきやすいのかなぁ?」

「時代が来てるのよ、時代が」

「もしかして洒落?」

「ち、違うわよ。タケル君ったら、何を言ってるの?」

「そうムキになるなよ。

 『創作論・評論』もコンスタントに上位に入ってるな。『異世界ファンタジー』とタメをはってるのは面白い」

「ミステリーが★のときから若干順位を上げてきたと思わない?」

「確かにな。逆に追い落とされたのが SF という感じか」

「SF はじっくり読む人が多いのかしら」

「どうだろうね。流石にそこまでは分からないよ。

 1 つ言えるのは、コメント数の中央値は全てのジャンルにおいて 0 だったから、この結果はコメントの行動で底上げされていることはない、と言うことだ」

「え、0 なの?」

「0 なの。つまり、このランキングで順位が低いジャンルというのは、『コメントに関係なく反応が薄い』と解釈出来る」

「そうなんだ……。『現代』が付くと反応が薄くなる件」

「それな」




「なんか今日はあっさり終わったわね」

「いやー、本業でもひたすら文字打ってるから、趣味でも文字打ってたら仕事してる気分になってしまうんだ」

「本当に物書きなのね。ただの事務員って言ったらぶっ飛ばすわよ?」

「事務作業は秘書にやってもらってる」

「秘書? え!? まさかの社長業!?」

「さ、さぁ? どうでしょう?」

「ちょっとー、もったいぶらずに教えてよ。タケル君ーっ!!」



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 今日の研究ノートまとめ

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 ・ジャンルによって PV 数や応援数に差が出るか調査

 ・PV 数の中央値トップはまさかの『けものフレンズ』、主要12ジャンルのトップは『ラブコメ』となった

 ・応援数のトップは『歴史・時代・伝奇』! 作品数ダントツトップの副作用か、『異世界ファンタジー』はいずれの指標でもトップにはなれなかった

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カクヨム小説の真実~215,590作品のデータから本性を暴き出す 草薙 健(タケル) @takerukusanagi

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