file.2 悪口

 もし、後100文字しか使ったら死ぬとしたら、どうやって言葉を使うだろう。


 家族に使う? 


 恋人に使う?


 友達に使う?



 間違っても悪口を吐いたりはしないだろう。



 そういえば僕は悪口を書かれた過去がある。あんまり思い出したくはないが、少しだけ思い出してみよっか。


「寝取られ趣味」(7文字)


「作者はレイプ願望あり」(14文字)


 結構文字数を使ってるね。

 これだけがあれば「ありがとう」も「愛してる」も伝えられる。


 

 ⇒人が悪口を使うのは「言葉をたくさん持っている」からじゃないのか?


 文字数指定、いわば心の通信制限がない。

 だから無駄に言葉を使うことができる。



 いや、使ってるいるなんて言わないで、捨てていると言うべきか。




 文字数を制限される世界。


 いや、そういう能力……。



 そういう魔法にかけられると言うのは……?



 言葉の本当の大切さに気付かなければならない「言の葉の魔法」に。

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