file.6 この作品が持つ意味とは
コロナ禍にこの作品が存在する意味を考えてみようと思います。
得体の知れない目に見えないものが、私達を引き裂いていく。
簡単に言えばそんな時代です。コロナウイルスがなかったとしても、世界はだんだんと人の温もりを忘れていくわけで。
人々はインターネットの中に無数の人格を持って、自分でも本当の自分が分からなくなっている。感情の矛先も、言葉の使い方も、全部壊れている。
高坂君の境遇に置き換えることができます。
大切な人と会いたくても会えない世界。一人を選んでWeb絵師としている彼ですが、本当に大切なものはもうわからなくなっている。
その絵を届けたかった人はもうこの世界にはいないのです。
人の温もりを避け、独りを選ぶ彼。そんなところにやって来たのは、誰よりも温もりが必要な女の子。この世界で最も尊いボーイミーツガールかもしれません。
大切な人、時間、言葉。
あなたがそこに存在している意味。
それを、全読者に向けて問います。
友達、家族、恋人。すべての温もりが集合して、二人の物語を彩っていく。
このも語りを読んだ後に、それを誰に伝えたいか。それとも一人で噛み締めたいか。
赤と白が溶け合ったピンク色のゼラニウムの花言葉は、「決意」。
中にはシリアスな展開も含まれますが、作者の決意も、二人に待ち受けるどんな困難も乗り越えていく力も、すべて詰め込んでピンク色のイメージカラーを付けたいと思います。
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