波と泡

 言葉は波打ち心は泡だつ。海面に達する度にぷちぷちと弾けるそれは、孤独を抱える主人公の呟きか孤独を癒されつつあったはずの主人公の呟きか。

 寄せては返す思い出や希望は、たしかに主人公の魂に人魚の姿を刻みつけた。

 必読本作。