日本には、春と夏と秋と冬と窓魔女がある

春、それは芽生えた草木、香る花々を胸に蓄えて新しく踏み出す季節。
夏、道に落ちている様々な輝きを拾い集める季節。
秋、輝きを失う世界の中で、自分が輝く季節。
冬、すっごい寒い。
そして、窓魔女。窓から入ってくる女の子、それを出迎える男の子、そんな2人を見守る季節。
大袈裟な表現ではなく、季節というものはそれぞれ一年間の4分の1を覆う決して短くないものなんです。つまり、私はこの作品を読んで、その大きさ分感情を動かされたということなんです。
異世界で剣をとり、魔法を操り乱舞する物語にいつも目を奪われて、じれったい男女の恋模様に胸を躍らせる人生。そんな人生の前に、この作品が現れました。
作品は言いました。
『お前の好きなアホ二人の愛をみせてやる。そして、勇者と魔女もな』と。
その言葉に偽りなく、完璧な愛を、完璧な"勇者と魔女"をあちらこちらから浴びせられました。
胸が熱くなったりきゅんっと引き締まったり、大忙しでした。けれど、私の胸はまだ頑張るようです。なんなら、もっとくれと滾っています。

自分でも驚くぐらい好きな作品を読んだ時、私はこう思うことにしています。
「これ俺のためだけに書かれたんじゃないか?」
ですから、この作品は俺のために書かれました。魔女も勇者もアホ共の走り続けることしか見えていない愛やら恋も、全て私が得たかったものです。
本当に、ありがとう。
この先も続いていくこの作品に、心からの賛辞と期待を、これからもずっと送り続けたい。心からそう思っています。

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