第4話 美緒と後悔と決意
私は、ふらふらとする体をなんとか保って帰宅した。そのまま自室のベッドにダイブしてしまう。
「……私…奏のこと何もわかってなかったんだ…」
さっき奏に言われたことを思い出すだけでも、心が苦しくなるのを感じる。こんな感覚になったのは初めてだ…まさか、他人になろうと言われるとは思わなかった。それほどまでに、嫌われちゃったのかな…
「でも、あんなもの見せられて、普通でいられるわけないよね…」
目の前で告白されるシーンを見せて、OKしてしまったら、そりゃ怒るよね…私はその時から…ううん。その前からちゃんと奏の事を見
てあげられなかった。いや、見ないようにしてたんだっけ…
「……もう、遅いよね…私、何してるんだろ…」
後悔だけが私を支配している感覚がした。あの告白をされたあとの幸せはどこに消えたのかな…
「あ、そういえば、プレゼント…」
何が入ってるんだろう…え?これって…
「ネック…レス…?」
これ、土曜日に渡そうとしてくれたの…?えっ、もしかして…
「土曜日…奏君は私に告白するつもりで…?」
もし、もしそうだとしたら、私はとんでもないことをしちゃったんじゃ…?そ、そうだ。手紙を読もうかな…
『この手紙を読んでるってことは、僕からプレゼントを貰って開けたあとかな?それとも前かな?まぁ、それはどうでもいいかな。とりあえず、プレゼントは喜んでくれたかな?まぁ、彼氏がいる君にとっては、いらないものかもしれないし、キモいと思うかもしれないけどね。そのネックレス、本当なら土曜日に渡そうと思っていたんだ。そしてそのときに告白しようともしていた。でも、それは叶わなかった。でもいいんだ。美緒が幸せなら、僕は何もしない。秋人君と幸せになってね。
最後に。美緒。僕は君のことが好きだったよ。手紙で伝える形になっちゃってすごく悲しいけど、それだけは伝えたかった。最後まで読んでくれてありがとう」
私は手紙を読んだあと、涙が溢れてきて止まらなかった。奏…ずっと私のことを思って…
「ごめん…ごめんね奏…私…私…」
奏に謝りたい。謝って、もとの関係に戻したい…でも、きっとそれすらも叶わなくなる…だって、その可能性をほぼ完全に消し去ったのは、私自身なんだから…だから…
「秋人君と…幸せになる…それが、奏の願いなら…」
奏の最後のお願いを、成し遂げるしかない…決めたよ。奏。私、奏の思いを受け止めて絶対に幸せになるよ…だから…ごめんなさい…こんな私を好きになってくれて…
「……明日から、もっと頑張らないとな」
奏のいない生活なら耐えられると思いこんでたけど、きっと私には無理だと思う…でも、それはきっと奏も同じ…だから私が、私達が頑張らないとね…
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【あとがきみたいな何か】
美緒の心の内でした。恋は盲目って言いますからね…
さて、ここでほぼ完全に美緒との関係を断ったので、ようやくヒロインである後輩マネージャーが出てきます!いちゃつきはもう少しあとになると思いますので期待せずに待っててください。果たして、心が折れかけてる奏を救えるでしょうか…?
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