第5話 奏と後輩マネージャー

翌日の朝、何個か目覚ましをかけていた僕は目覚ましが鳴る前に目を覚ました。時間を確認すると朝の5時ちょい過ぎだった。


「……そして目覚めは最悪。と」


と愚痴をこぼすけどもっかい眠りに入ったら確実に遅刻するから起きようかな…着替えてベッドから降りて、久しぶりにコーヒー飲みながら本でも読もうかな。


「とりあえず…この本かな…」


取った本は最近話題沸騰の超人気作だ。この本なら多少の暇つぶしはできるかな…コーヒーは…インスタントのやつでいいかな。


「……うん。朝ゆっくりできるのは良いね。明日も早起きしようかな」


早起きは三文の徳と言うけど、なんとなくわかる気がしたな…


「……うん。やっぱ面白いけど、よくわからないな…」


面白いけど、僕には何故人気になったのかイマイチ理解できてないんだよね…キャラクターは個性豊かで魅力たっぷりだけど内容が…ね。そんな感じに考えながら読んでるといつの間にか登校時間になっていた。早めに着替えておいて正解だったな…


「……そっか、美緒…いや、香織がいないからか…」


ふと、何かが足りないと思ったら香織だったね…まぁ、今更か。そのうち忘れるかな。


ーーーーーーーー

何も考えずにぼーっとしながら登校するといつの間にか体育館の前にいた。


「あれ、いつの間に着いてたんだ…ちょっと抜けすぎてるかな…集中集中!」


「何言ってるんですか奏先輩…」


「……ん?うぉ!?汐音!いつの間に後ろに!?」


突然声が聞こえたと思ったら僕の後ろに部活のマネージャー…美沢汐音(みさわしおん)が立っていた。


「えへへ、実は登校途中で見かけたのでずっとついてきてました。何やら考えこんでたみたいなので話しかけませんでしたが…」


「……僕が悪いのもあるけどずっとついてきてたのね」


ぼーっとしてたから気づかなかったのかな…って、そんなことしてる場合じゃないか。


「早く朝練行かなきゃ先輩にドヤされる…!」


「あ、ほんとですね。急ぎましょう奏先輩!」


二人一緒に中に入っていき、先輩達と後輩達に挨拶をしていく。ちなみに僕と同じ2年生はまだ誰も来てなかった。


「朝練だから自由に運動していいけど、やっぱ走り込みかな…」


「あ、奏先輩走るんですか?なら私もついていっていいですか?こう見えて体力ありますし」


「ん、いいよ。途中でバテそうだったら教えてね」


「奏先輩優しい!ならそのときは遠慮なく言いますね」


汐音は嬉しそうに微笑むと僕の隣に来て一緒に走り出した。さり気なく汐音にできる限りペースを合わせてあげる。


「奏先輩もしかして、私にペース合わせてくれてるんですか?」


「そうだね。本当ならもうちょっと早いけど、せっかくついてきてくれてるんだし少しくらいは合わせてあげないと辛そうかなって」


「そうやってさり気なく優しくしてくれるの私的にはポイント高いですよ!」


なんのポイントかはわからないけど高めにもらえたから良しとしようかな…


「そろそろやめて戻ろっか。教室に行かないとだし」


「はい…ふぅ↑いい汗かきました」


歩きながら体育館に戻りタオルで汗を吹きながら僕達は教室に向かい歩き出した


「あ、奏先輩」


「どしたの?汐音」


「今日の放課後、時間ありますか?部活に行く前に校舎裏で話したいことが…」


「んー…うん。大丈夫だよ」


「わかりました!放課後ですからね!絶対来てくださいね!」


汐音はそのまま自分の教室へと走っていった…おいおい、怪我しないでね?


「にしても放課後か…昨日に続いて校舎裏に行くことになろうとはね…呪いにでもかかったのかな?」


そんな事を考えつつも教室に入る。いつもの席にはもう香織がいた。話しかける気は毛頭ないのでさっさと席に座った…後で席前にしてもらおうかな…香織と合わせる顔なんてないし…


「はぁ…なんか余計に疲れる気がするな…」


ため息まじりに文句を垂れ流して先生が来るのを待った。




今日の放課後、まさか告白されるとも知らずに…

ーーーーーーーー

【あとがき】

本日3つ目の投稿です。書き溜めはしてないのでぱっと思いついたことだけを書いてます。

ついに後輩マネージャー兼奏のサポートである美沢汐音が登場しました!これから先汐音と奏の関係はどうなっていくのでしょうか…

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