第6話 放課後と校舎裏と新事実

特にこれと言っていいほど出来事は起きず、気づけば放課後になっていた。


「もう放課後かぁ…意外となんとか…なればよかったんだけど…」


今までの生活からがらっと変わってしまったから、喪失感が半端ないんだよね…虚しいような悲しいような…


「……とりあえず、校舎裏に行かないと」


ちらっと隣の席を見てみるけど香織の姿は無かった…いや、他人だから気にしちゃいけないんだけど、どうしても見てしまうんだよね…そんなすぐに切り替えなんてできるわけないし…


「……さっさと行かないと」


考えても仕方ないし、早く行かないとね…


ーーーーーーーー


校舎裏に着くと、そこには既に汐音がいた…待たせちゃったか…


「ごめんお待たせ。遅くなってごめんよ」


「あ、いえ大丈夫です。私も今来たところなので!」


「ありがと。それで、話って?」


汐音は覚悟を決めたようにこちらを見つめた。なんだろ。そんなに大事な話かな…


「私…ずっと前から奏先輩の事が好きです。付き合ってください…!」


……ほぁ。こ、告白でござったか…まさか2日連続で告白シーンに直面するとは思わなかったよ…でも、どうしよう…香織とはある程度区切りはついてるけど、やっぱり辛い部分が大きすぎて良い返事が…


「……ぁ、えっと…ね…告白してくれてすごく嬉しいよ…でも、昨日色々とあったからさ…ご、ごめん!最低だと思ってくれて構わない…でも、もうちょっとだけ返事を待ってくれると嬉しいかな…」


僕は頭を下げて保留にしてもらえないか交渉してみることにした。


「……昨日の件については、秋人から聞きました…辛いのはすごくわかるつもりです…」


え?秋人って、あの秋人君の事…でもなんで知ってるんだろう…?


「説明しておくと、私と秋人は幼馴染なんです…あ、でも互いに恋愛感情はありませんし連絡もほとんどしませんから…昨日の夜にいきなり連絡が来たと思ったら彼女ができてしかもそれが奏先輩の幼馴染だと知って…」


なるほど、秋人君と汐音は幼馴染…わぁお、こりゃ複雑ですね…


「でも、それとは関係なしに私は今日奏先輩に告白する気でしたから…傷ついてる隙間に入る感じになってしまったんですけど、私の気持ちは本物です…でも、奏先輩が保留にしたいと仰るのなら、私は何時までも返事を待ちます」


なんて心が大きい子なんだろうか…正直羨ましいよ。僕の心なんかちっぽけだし…


「……ごめんね。良い返事がすぐにできなくて…なんだか情けないよ…」


「そんなことはないです!あれだけの事があって、その後奏先輩に何があったのかはまだわかりませんが、今の感じを見て奏先輩が傷ついてることだけはわかります!常にとは言いませんが近くで見てきた私にはわかるんです…わかっちゃうんですよ…」


汐音は顔を下に向け俯いてしまった


「……奏先輩。お願いです。辛いかもしれませんが昨日何があったのか教えてくれませんか?」


「……わかった」


汐音は他人に言いふらすような事はしないだろうし大丈夫かな…僕は昨日の出来事を汐音に話した。聞いていた汐音は段々と怒りを顕にしていった。


「なんですかそれ…!一方的過ぎます!目の前で見せつけておいて見捨てたじゃないですか!酷すぎますよ!あの女はとことんクズですね!」


「……そう、だね。僕はやっぱり見捨てられたんだ…」


僕が悲しい顔をしたら急に汐音に抱きつかれた。突然の事で驚いたけども…


「……ごめんなさい。奏先輩の気持ちを考えると…辛くなっちゃって。もう少しだけこのままで居させてください…」


「うん。いいよ…」


汐音に抱きつかれた事によって少しだけ安心する事ができた。人の温もりをなんだか久々に感じた気がするから…思えば、香織からぬくもりを感じたのはご飯以外ではなかったような…もしかしなくても、昨日までほぼあった恋心は一方的なものだったのかもしれない…


ーーーーーーーー

【あとがき的なもの】

汐音の告白と奏の返事でした。

ほぼない状態の脳みそであれやこれや考えましたがこうなりました。所々おかしい部分がありますが、気にしないでください…

さて、ここでお知らせなんですが、これから先は汐音、奏を中心に話を展開したいと思います。所々で秋人と美緒は登場させますが1人称視点での話は後々出して行きたいと思います(特に美緒視点は少なめになると思います…)。もしもう我慢できねぇ!早く美緒達の視点を見せろ!と思われましたら応援コメントの方に書いてくださると中確率で書いて投稿するようにしますのでこれからも応援よろしくお願いします

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