第三話
美緒と仲良り?が済んだあと、汐音が僕の袖を掴んできた。これは何か言いたいことがあるときにするサインだ
「どしたの汐音?」
「奏先輩。少しの間だけ、香織さんと二人きりでお話させてくれませんか?」
僕は少しだけ考えたあと、それを承諾した。僕も秋人君と二人きりで話がしたかったからだ。それに、同性同士でしかわからないこともあるだろうし
「じゃあ秋人君。僕らは別のテーブルで話そうか」
「はい」
僕は汐音に「あまり言い過ぎないであげてね」とだけ伝え店員にお願いして別の席を用意してもらい席についた
「……秋人君。ここからは本音で話してほしい。さっきの話を聞いてどう思った?」
「……正直に言うと、悲しいですね。いくら小さい頃からの付き合いとはいえ、他人と手を繋がれていたのはショックですよ」
やっぱりそうだったのか…秋人君は美緒に嫌われたくないの一心であまり美緒と本音で話したがらないのだ。それではいつか崩壊するよと言ってはあるものの中々治らないようなのだ。気持ちはわからなくはないけども…
「だろうね。でも秋人君、我慢のし過ぎも良くないよ。たまにでもいいから本音でぶつからないと美緒はまた何かしら問題を起こすよ。嫌われたくないのはわかる。でも、それ以前に自分自身が傷ついちゃったら意味がないんだよ。これからも一緒にいたいのならわかり合わないと…ね?」
僕自身も、ちゃんと話をしなかったから美緒と絶縁したんだよね。今は違うけど、それはちゃんと話をしなかった事も原因だから…同じ過ちを繰り返してほしくないんだよね…
「わかってるんですけど…僕もなんとかしないといけないのはわかってるんです…本当はやめてほしいのに、ちゃんと断ってほしいのに…僕は弱いから、傷つきたくないから言えなくなっちゃう…そんなものはただの甘えだって。逃げてるだけなのもわかってます…」
秋人君自身もちゃんと考えてるみたいだけど、それが実行できてないんだよね…このままだと本当に崩壊しちゃいそうだ…
「わかってるならいいんだけどね…一度、当たって砕けてみたほうが良いかもね」
一回本音でちゃんと話し合って、それで崩壊しかけたら僕らがサポートしてあげればいいと思うけど…あの二人がちゃんと話せるかも問題になるし…難しいな…
「そうですね…わかりました。また後日、ちゃんと時間を作って美緒さんとしっかり話したいと思います。それで別れても…」
「待った。その先は言わせないよ。話し合う前にそんなこと決めつけたら駄目だよ。それを決めるのは秋人君一人じゃない。秋人君と美緒が決める事だ。話し合った結果はまだわからないからね。その前から諦めてたら駄目だよ」
「っ…はい!」
よし。これでひとまずは大丈夫そうかな…
そんな時、僕らが元いた席からドン!と音がした。びっくりして席を見てみたら…汐音が美緒に対して激怒している姿が写っていた…
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【あとがき】
更新遅くなりました…きららファンタジアのイベント周回と読書でこっちに気が回ってなかったです…
さて、先週なんと累計PVが3万を超えておりました。感謝カンゲキ雨嵐です…いつもありがとうございます。
次回は、汐音視点でお送りします。更新は…年内には必ずあげたいと思います
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