第2話彼との帰り道

私、香織美緒には幼馴染がいる。でも、今はそのことを考えたくない。だって私は今、幸せの中にいるのだから。そう、私に彼氏ができたのだ。前から少し気になっていた枢木秋人君。まさか秋人君から告白されるとは思ってなかったからすごく嬉しかった。


「あの、美緒さん」


「ん?なぁに?」


「胡桃沢さんと一緒に帰らなくて良かったんですか?」


「あー…うん。きっと大丈夫だよ。奏、抜けてるところあるけど普段はちゃんとしてるからさ。」


「……そう、ですか。」


なんだと言うのだろうか。秋人君は奏のことを心配してるのかな?もう、私がいるのに他のこの話なんかしないでほしいかな。

まぁでも、奏は私が好きなのは知ってたけど…何ていうのかな、奏の事を異性として見れないんだよね…私にとっては仲のいい友達みたいな感じだったし。


「そんな事よりさ、明日一緒に学校行こうよ。いいかな?」


「もちろん僕は大丈夫ですよ。でも、それだと胡桃沢さんが…なんというか…その…報われないというか…かわいそうな気がして…」


秋人君はとても優しい子なのね。失恋した奏のことまで考えてあげるなんて…奏からしたら泣いて喜びそうだけど、私は少しイラッとするかな。


「もー!奏のことはいいの!私は秋人君と二人っきりで行きたいの!」


「ぇっ…ま、まぁ…そこまで言うんでしたら僕からは何も言えませんが…」


「やった!じゃあ約束ね!あ、私ここら辺で大丈夫だから!じゃあまた明日ね!」


「あ、はい!また明日!」


やった!秋人君にまた会える!明日が楽しみで仕方ないよ!帰ったら奏に自慢してあげよっと!







この時、私はまだ気づいていなかった。奏が、私の元から離れていくことに…

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