しつこくスピンオフ
今回は、カクヨム内で超有名なネコをおかりしてのスピンオフです。
ここに、リンクはれませんがあのおネコさまです(笑)
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『ある日うちにネコがきたんだけど』
「雪深ー、なんかへんなネコが入ってきたよ」
リンカネーションの店番をしている私に、アルがふすまの向こうから声をかけてきた。
ふすまをあけると、格子戸の前にネコが一匹。
「あれー迷い猫かなあ」
私は三和土におり、ちっとも動こうとしないネコの前脚を持ってだっこした。
「やめぬか、無礼であるぞ女」
「「しゃべった!!」」
私とアルは同時に叫けぶ。驚きすぎてだっこしていた手を放してしまった。
ネコはくるりと宙返りをし、見事な着地を決めてドヤ顔をする。
「蘭丸と、京都旅行に来てみれば、あやつかわいい店があるとあっちへふらふら、こっちへふらふら。主君をおいて好き勝手しおって。はぐれてしまったではないか」
「はっ、蘭丸? このネコ、アルのしりあい? また誰かの生まれ変わりなんじゃないの?」
「うーん、蘭丸はたしかに僕の愛妾だったけど。このネコには見覚えがないよ」
ネコの丸顔をしげしげと見て言った。
「なに? 蘭丸はわしの愛妾じゃ。そなたなにものだ。名を名乗れ」
ネコにえらそうに言われ、アルはご丁寧にも自己紹介をする。
「アルフォンソ・デ・トーレスです。前世は織田信長でした」
前世の自己紹介はいらないと思うんだけど……。
「なにーー信長はわしであるぞ。おまけにそなたバテレンではないか。どういうことだ、いったい。妙に紳士だし、キャラがちがいすぎる。そなたが信長であるはずがない!」
えっ、ネコが信長って言う方が、無理ありすぎるんですけど。
「本当です。そして、彼女が弟の勘十郎の生まれ変わりで、僕の彼女です」
ネコもとろけそうな微笑み攻撃を照射しながら、言ったのだった。
その攻撃がきいたのか、信長と名乗るネコも、納得したみたい。ちょろいな。
「ふむ、こちらの世界の信長か。それならいたしかたあるまい。それにしても珍奇なことよ。あの勘十郎信行と現世で恋人とは」
こちらの世界って、じゃああなたはどちらの世界の信長さまですか? いや、余計なことは聞くまい。
「はい、前世の因縁を乗り越え僕たちは結ばれたのです」
えっ、まだ厳密には結ばれてませんけど……。
「ふむ、それは尊い愛である。わしも蘭丸への愛ゆえにあやつのネコに転生したのかもしれぬな。まさに、時空を超えた愛じゃ!!」
「はい、愛です」
なにw信長で盛り上がってんのよ。ここは、私がおさめないとどっちに暴走するかわからないよ。なんせ信長が二人なんだから。
「時に、信行よ。この甘ったるい匂いはなんであるか? わしはこの匂いにつられてここへ入って来たのだ」
信行って私のことか。
「この匂いは、奥で市香ちゃんがケーキを焼いていまして。今日は誕生日……」
「なに? お市がわしのためにか! しかし今日は2月6日。われらの誕生日は5月12日であるぞ、のおアルよ」
「前世ではそうでしたね」
「いや、だから、あなたたちのじゃなくて……」
ちっとも話を聞かないこのえらそうなネコに説明しようとしたら、格子戸がガラガラと開いた。
「ただいまー。あっ、かわいいネコちゃん。ミツヒデだっこする」
帰って来た光流くんが両手を広げ、ノブナガをじわじわと包囲していく。
「なにーー、ここにはミツヒデもおるのか? アルよ。それでよいのか?」
壁際に追い込まれ、逃げ場を失ったノブナガはアルに助けを求める。
「まだ、彼が光秀と決まってませんし。でも、もし光秀でもいいじゃないですか」
光流くんはしゃべるネコにちっとも驚いていない。さすがミツヒデ。二日後に信長を殺す男。光流くんが、宿敵を前にして体を硬直させたネコをひょいっとだきあげた。
その時、内玄関の戸が開き、エプロン姿の市香ちゃん登場。
「ミツ、ケーキやけたで! あれ、そのネコどうしたん?」
「わーい、ミツヒデのケーキ! あっ、このネコちゃんひょっとして誕生日プレゼント? ネコ飼いたかってん」
えっと、ここはそういうことにしておこうか。私はアルと目配せして声を合わせる。
「「誕生日おめでとう!」」
「まてーー! わしを蘭丸の元へ返せ!」
チャンチャン。
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楽しんでいただけましたでしょうか?
これコラボ企画でして、ノブナガの父であるあの方の誕生日企画です。
すいません、名前はっきりかけなくて。いちおう読者選考中なので他の作者さんのお名前出さない方がいいっぽいのです。
もう、応募が締め切られて、それ以後の更新分は関係ないとはおもいますが、一応。
あっ、二日後に信長を殺すウンヌンは、今日2月5日の二日後に、某大河ドラマが最終回。もちろん本能寺の変ですよ!
みなさまお見逃しなく。
洛中はきょうも転生びより~恋と前世とハンドメイド 澄田こころ(伊勢村朱音) @tyumei
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