異世界からの来訪者の少女は、やがて魔導士として世界の真実に触れていく

 幼い頃に異世界からやってきた少女ミシャは、前作を読んだ方にはもうお馴染みのアルタセルタ、ローウィン、そして銀髪の魔導士セトルヴィード、その護衛騎士のコーヘイをはじめ、多くの人々に愛されて育っています。

 大切に育てられている彼女は、それでもその生い立ちのせいか、どこかアンバランスで、自分の身を顧みない危ういところも。
 自分のことに無頓着だった彼女が、やがて自分の想いを自覚してすぐに見舞われる苦難。それを経て大きく変わっていく中で、彼女が触れたこの世界の大きな秘密に思わずため息が洩れました。

 どこか荒削りな原石のような手触りと、ごく緻密に織り上げられた人々の想いが心を打つ、一人の少女の成長物語であり、彼女を見守る人々の苦悩と葛藤と優しさの物語でもありました。

 ほっこりシーンもありつつも、根底にどこか辛く切ない空気の漂う本編が見事な大団円を迎えた後の番外編はもう本当に格別でした!

 個人的には某団長と護衛騎士が二人で永遠に幸せになってください……! と思いつつ、ついでに報われない某副団長の幸せを祈らずにはいられません(大好き!)

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