佐藤がね、しくじる度に、処理中断。

掲題の通りなんですけれど、主人公の佐藤が選択肢を間違えたり判断を間違えたりすると死亡し(当たり前だけど)、また死ぬ前からリスタートする……という流れ。その度にやり直しをする……という話なのですが。
某アニメ化作品みたいに死ぬことへのプレッシャーだとか責任だとか躊躇いだとか「何で死んだ? 攻撃?」みたいな駆け引きとかそういうのは一切なく、何なら「しゃーない。死んだろ。なーに。次がある次がある」くらいの感じでコロッと逝くので本当にライトというか……。
軽い靴って履いたり持ったりした時感動するでしょ? ああいう軽さ。

でもそういう軽さだけじゃなく、「ヒロインに何度裏切られても信じようとする心の広さ」だとか、「何があってもヒロインを愛し抜く気持ちの強さ」みたいなのも散りばめられていて、ただ軽いだけの話じゃないのが魅力。

一昔前のゲームブックみたいな小説……というと聞こえは悪いかもしれないけど、本当にそれくらいの小気味よい軽さで流れていくストーリー。

会話や文章もテンポがよくて(やっぱり軽くて)章立ても細かく、そもそものストーリーが「死んでもやり直す」という「ぶつ切り系」なので隙間時間に軽く読んで仕事や勉強で中断して、また電車の中とかで読んで……何てことができてさっくり読める。
それでいて、飽きの来ない展開。

カクヨム初心者諸君! まずはこういうのから始めてはいかが?

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