互いを想う故ぶつかる時もある。優しさと勇気が未来を開く王道ファンタジー

人が互いを思いやる優しさに溢れた物語です。
優しさが足りないと思った時、何かを頑張りたいと思ったけど力が足りない時にきっと読んだ人の心を支えて元気づけてくれるような、そんな読後感の残るファンタジーです。

両親を亡くし、お互いを支え合いながら生きてきた敬介と妹のいおりの兄妹。物語は突然、意味深な台詞を発したいおりに異世界に召喚されるところから始まります。

チート能力なんて微塵もない敬介は不信がられたり、自分の無力感に苛まれたりしながらも、転生先の異世界での国をかけた戦争に参加していくことになります。

この作品の最大の魅力はも生き生きとした一人一人のキャラクターにあります。主人公の敬介を初め、国の歴史に残るほどの悲しい恋物語を残したティスタとセーレ。敬介が異世界で最初に出会い、行動を共にするリンガー王国王女のリラとエダー。敵として存在するバーツやサラリア、チェルノボーグ。それぞれが自分の信念、譲れないものを持ち、物語を推し進めて行きます。

なぜいおりは敬介を召喚したのか?いおりの正体は?強大なチェルノボーグに勝つ方法はあるのか?啓介は元の世界に戻れるのか?
敬介が召喚された理由を軸に、いくつもの戦いと敬介の成長を経て少しずつその謎が明らかになっていきます。
ファンタジーが好きな方にぜひお勧めしたい物語です。

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