妖・アヤカシはちゃんと現代に生きています!

雪女というとアヤカシの中でもちょっと怖い感じのイメージが多いと思います。
しかしこの物語の中の千冬ちゃんは今どきの普通の女の子。
しかもアヤカシとのクオーターとあって、ほとんど人間みたいな女の子。
まぁ感情が高ぶると雪女らしい能力を発揮したりするんですが。

そんな女の子が嫌な思い出ばかりの都会から一人、田舎の学校にやってきます。
そこで新しい友達、気になる男の子、なんかカッコいい先輩やらに囲まれて徐々に新しい生活を楽しんでいきます。
しかも何の因果か妖怪研究部にまで入ることに。

という具合に千冬の冷えた心を周りが暖かく溶かしていきます。
しかし物語はそれだけで終わるはずもなく、やがて彼女に大きな試練がやってきます。

その先は自分で読んでもらう事として。

なんといっても作者らしい魅力的なキャラクターたち。
そして読み手を惹きつけて離さないストーリー運び。
読み終えた後になんとも幸せな気持ちになれる読後感。
そういったものが今作もいかんなく発揮されています。

私がこの作者さんでいつも感心するのは、しっかりと書かれた人の心の在り方。
主人公の丁寧な心理描写だけでなく、人の嫌な面、人が持つ悪意、そういったものまでキチンと踏み込んで書いているのがなによりの魅力ではないかと思いました。

まぁとにかく面白い物語でした。
ぜひ読んでみてください!

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