二人の足で歩く。世界は楽しいことや綺麗なもので溢れている。

異世界転移してきた高校生のユーヤと、そこで出会ったドラゴンの少女、シル。
他のドラゴンを探そうと始まった旅は二人にとってよくわからないことだらけで、ろくに言葉も通じない中、いろいろな人に助けてもらいながら進みます。


美味しいご飯を食べたり、綺麗な景色を見たり、不思議な風習を体験してみたり……。
少しずつ旅の楽しさを知ってゆくシルが大変可愛らしく、二人の距離感の変化には何度も和やかな気持ちになりました。

また、お話はユーヤの視点で語られますが、各章の終わりにある地域ガイドもオススメです。ユーヤにはわからないままだった物事の解説であったり、その地域に伝わる信仰であったりと、この世界により深く入り込むことができます。

そして最後まで読んで振り返ると、あの地域ではあんなものを食べてたな、あんな物を買っていたな、と素敵な思い出になっていることに気がつきました。
ただの読者としてだけでなく、一緒に旅をしていたような気分になれるところが魅力的です。


あたたかくて、美味しくて、興味深い旅物語。
是非、堪能してみてください。

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