概要
人は誰だって、ひとつの魔法を持っている
僕はカラッポだ。
たとえ話とかじゃなく、僕は本当にカラッポなんだ。
自分の名前も過去の記憶も、まったく思い出せない。それどころか僕には、顔や体さえ無かった。
僕は誰なんだろう? ただそれだけを知りたくて、僕はひとりで旅をしてきた。もとの自分がどんなだったのか僕は知らない。それを知っていいのか、知らないでいたほうが幸せなのか、それすら僕には分からなかった。でも、知りたくて仕方ないんだ。
なにも知らないってのに、僕は誰かを頼らなかった。それは僕が強いからじゃない。反対に、臆病で、心を開く勇気がなかったからだ。ひとりの旅は本当に寂しかった。
だけど、ひとりの女の子と出会って、それが変わった。
彼女は元気で勇気があって、まるで太陽みたいだった。でも意地っぱりで、口が悪くて、すぐに怒る爆弾みたいな
たとえ話とかじゃなく、僕は本当にカラッポなんだ。
自分の名前も過去の記憶も、まったく思い出せない。それどころか僕には、顔や体さえ無かった。
僕は誰なんだろう? ただそれだけを知りたくて、僕はひとりで旅をしてきた。もとの自分がどんなだったのか僕は知らない。それを知っていいのか、知らないでいたほうが幸せなのか、それすら僕には分からなかった。でも、知りたくて仕方ないんだ。
なにも知らないってのに、僕は誰かを頼らなかった。それは僕が強いからじゃない。反対に、臆病で、心を開く勇気がなかったからだ。ひとりの旅は本当に寂しかった。
だけど、ひとりの女の子と出会って、それが変わった。
彼女は元気で勇気があって、まるで太陽みたいだった。でも意地っぱりで、口が悪くて、すぐに怒る爆弾みたいな
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!見かけによらず、濃いーファンタジー
中身の無い抜け殻の鎧と少女の旅。
旅の目的は、この世界でただ一人存在する魔女に会うこと。
ライトな出だしからは想像もつかないほど、物語が後半に向かうにしたがって内容がコアにコアになっていく。
主人公とヒロインの二人はとにかくタフで、とにかく諦めが悪い。旅の中で幾度となく窮地に陥っても、何度も何度も諦めかけても、最後は絶対に諦めずに立ち上がる。読者が正気を疑うぐらいに、絶対に諦めないのだ。
訪れる町にはそれぞれ奇異な特徴があり、その発想力もさることながら、詩と哲学と狂気がごちゃまぜになったような語り口は飛び抜けたオリジナリティを感じる。こんなの読んだことない。
一度引きずり込まれたら終わ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!鎧は空っぽの体に優しさを宿し中身を求め旅をする
中身が空っぽの全身鎧の『私』が金色リンゴのような少女『ミュート』に出会い『サンデー』となり、一人は自身の中身を求めもう一人はいなくなった恋人を探し求め二人の旅が始まります。
この世界に画期的な革命を起こし人々の生活を豊かにした魔女と呼ばれる謎の人物。彼女がサンデーの秘密に関わっているそう判断した二人は魔女の影を求め町を巡っていきます。
この訪れる町が個性豊かでそこに住む住人の個性も豊かというより強すぎてどこか突き抜けています。
セリフの言い回しが発する人物の哲学を感じさせ、一見無茶苦茶なことをって聞こえるセリフでもそこには太い信念を感じさせられ納得してしまいます。
サンデーとミュートの…続きを読む